28日午後11時53分ごろ、穴水町志ケ浦の空き家から出火、木造2階建ての住宅を全焼し、約3時間半後に消し止めた。けが人はいなかった。
輪島署によると、全焼した住宅はリフォーム工事中で住人はおらず、火災に気づいた近隣の住民が119番通報した。同署は29日午後に実況見分し、出火原因などを調べる。
現場は穴水湾に面した住宅地で、近くに能登半島地震の仮設住宅団地がある。付近住民によると、全焼した住宅は地震で被害に遭い、工事中だったという。
近隣に住む50代男性は「仮設住宅などに燃え広がったら、大変なことになるところだった」と話した。
富山県内で26〜27日、山岳事故が相次いだ。26日午前8時半ごろ、富山市の北アルプス・黒部源流付近登山道(標高約2450メートル)で、埼玉県越谷市大沢の会社員赤土博一さん(68)が渓流沿いのぬれた岩に足を滑らせ転倒した。左足首の骨を折る重傷を負い、防災ヘリ「とやま」などで富山赤十字病院に搬送された。
富山南署によると、赤土さんは目的地の雲ノ平キャンプ場まで歩いて安静にしていたが、自力歩行が困難となり、27日朝に近くにある雲ノ平山荘を通じて救助要請した。
27日午前4時10分ごろ、立山町芦峅寺の北アルプス・大日岳の登山道(標高約2310メートル)で、横浜市金沢区柴町の会社員有賀真由さん(61)が5人パーティーで下山中にバランスを崩して転倒し、左手首の骨を折る重傷を負った。
27日午前7時ごろ、立山町芦峅寺の北アルプス・立山連峰の雷鳥坂(標高約2690メートル)で、仙台市青葉区向田の無職五十嵐正次さん(81)が単独での下山中にバランスを崩して転倒し、左足首の骨を折る重傷を負った。
上市署によると、有賀さん、五十嵐さんはそれぞれ富山県警ヘリ「つるぎ」などで富山赤十字病院に搬送された。いずれも前日に宿泊した山小屋の従業員を通じて通報した。
熱中症の救急搬送が石川県内で急増している。今年は6月から高温が続く影響で、金沢市では今月11日時点で昨年同期の2倍となる96件に上り、過去例のない6月の死亡事案も発生。他の市町でも増加傾向にあり、各消防は適切なエアコン使用やこまめな水分補給を呼び掛けている。
金沢市消防局によると、今年の熱中症搬送は5月11件、6月48件、7月37件。6月は前年同月(19件)に比べ2・5倍で、70代男性が死亡した事案もあった。
年齢別では65歳以上が全体の67%を占め、時間帯別では「正午から午後3時」が最も多い。
●津幡、内灘、能美も
小松市では今月22日時点で、前年同期に比べて20件多い42件あった。このほか同日時点で、津幡町16件(前年同期8件)、内灘町10件(同5件)、能美市17件(同8件)と倍増している。
●8市町13人搬送
県内には23日も熱中症警戒アラートが発表され、各消防によると午後6時までに8市町で13人が搬送された。このうち金沢市と宝達志水町の80〜90代の男女4人が中等症の見込み。
●80代妻、孫の高校生軽傷
22日午前2時53分ごろ、氷見市大境の無職山口基さん(86)方から出火、木造2階建て住宅を全焼、約3時間40分後に消し止めた。山口さんの息子秀明さん(53)が救助後に死亡が確認され、焼け跡から1人の遺体が見つかった。氷見消防署などによると、山口さんと、秀明さんの妻祐子さん=50代=と連絡が取れておらず、遺体は2人のどちらかとみて、氷見署は身元を調べ、もう一人の所在について確認を急ぐ。
●隣家も全焼、山林燃える
署によると、山口さん方は5人暮らしで当時全員が在宅していたとみられる。山口さんの80代の妻と男子高校生の孫は救助され、軽傷を負った。山口さん方の家人男性から「1階から火が出ている」と119番通報があった。
署によると、隣の高野貴人さん方の木造2階建て住宅に延焼し、全焼とみられる。高野さん方は6人暮らしで、全員が逃げ出して無事だった。北東の山林の木にも燃え移った。
署と氷見消防署が22日、実況見分を行った結果、1階の1室の燃え方が激しいことが分かった。23日午前9時半に実況見分を再開する。
現場は石川県境に近い氷見市北部の海沿いに位置する住宅地で、付近に大境漁港や灘浦小がある。
羽咋署は23日、警察官や検察官などをかたる特殊詐欺で、羽咋市の50代女性が約6700万円をだまし取られたと発表した。女性は詐欺グループの指示で十数回にわたり、現金を振り込んだり、石川県外の神社などで手渡したりした。県警によると、今年1〜6月に県内で確認された特殊詐欺の被害総額は計約6億5600万円で、今回の被害を含めると7億円を超えた。
羽咋署によると、4月中旬ごろ、女性宅にデジタル庁職員を名乗る男から「特殊詐欺の犯人が女性名義の通帳を使用しており、共犯者として逮捕状が出ている」と電話があった。警視庁の警察官や東京地検の検察官を名乗る男からも連絡があり、警察手帳や逮捕状の画像を見せられたり、「取り消すために現金を振り込んでほしい。潔白なら返金する」などと言われたりした。
女性は6月19日までの間、約200万〜約1500万円をATMから振り込んだほか、指示された羽咋市内の公園や県外の神社などで現金を手渡した。男らと連絡が取れなくなり、同23日に署に相談した。
●「偽警察官」被害増
県警のまとめでは、1〜6月の特殊詐欺の認知件数は92件(前年同期比39件増)だった。被害総額は約6億5600万円(約5億5100万円増)で過去最悪となっている。警察官を装う手口が大幅に増えており、県警が注意を呼び掛けている。