和歌山県内の1~5月の特殊詐欺、SNS型投資・ロマンス詐欺の被害総額が約8億円(113件)に上ったことが県警のまとめで分かった(暫定値)。特に警察官などをかたる「オレオレ詐欺」が急増しており、県警は注意を呼びかけている。
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特殊詐欺は、電話などで親族や公共機関の職員らを名乗って被害者を信じ込ませ、現金やキャッシュカードをだまし取る犯罪の総称。
県警生活安全企画課によると、1~5月の特殊詐欺の認知件数は77件(前年同期比26件増)で、被害額は約5億2千万円(同約3億1千万円増)だった。中でも「オレオレ詐欺」の認知件数は43件(同36件増)と急増し、被害額が約4億2千万円(同約3億5千万円増)と全体の約半数を占めている。
手口は巧妙で、警察官などを装い「あなたの口座が犯罪に利用されている」「お金の番号を調べるため指定の口座に振り込んでほしい」などと電話で切り出し、動揺させて金をだまし取る。被害者は20~80代の男女と幅広く、世代を問わず狙われている。
昨年ごろから「+(プラス)1」などで始まる国際電話を利用したケースが目立つという。被害に遭わないための防止策として県警は、固定電話での海外通話が不要な場合に発着信を休止できる「国際電話不取扱受付センター」の活用も推奨している。
一方でSNS型投資・ロマンス詐欺の認知件数は36件(同21件減)で、被害額は約2億8千万円(同約2億7千万円減)だった。
県警生活安全企画課は「詐欺の手口を知り、不審な電話には応じないなどの抵抗力を付けてほしい。『自分や家族がだまされるかもしれない』という警戒意識を」と話している。