盗撮防止対策として福知山署と府警本部は、京都丹後鉄道(丹鉄)福知山駅のエスカレーター横の壁に、振り向かずに後方を確認できる特殊加工の鏡「盗撮防止防犯ミラー」を設置した。このほどあった除幕式に出席した関係者は「思ったよりも遠くまで見えるので、安心できる」と話していた。
駅利用者に盗撮への注意を促そうと、京都府警は府内の鉄道駅にこの特殊ミラーを設置している。14日現在、JRなど25駅に38枚あり、福知山駅は最北端の設置駅で39枚目となった。
鏡はアクリル製でA3サイズ程度の大きさ。普通の鏡よりも広範囲を見ることができるよう加工されている。鏡があるとつい見てしまう人間心理を生かし、駅利用者には鏡を見て後方を確認してもらい、盗撮をしようとしている人物には犯行を諦めさせることで盗撮防止を図る。
特殊詐欺被害を未然に防いだとして福知山署は9月30日、京都府福知山市大江町河守の京都北都信用金庫大江町支店(森下和成支店長)と同支店職員の仲野里香さん(55)、同金庫篠尾支店長の水口慎太郎さん(52)に感謝状を贈った。客の相談で違和感を見逃さず、警察に通報したことが被害防止につながった。
同署によると8月12日、同町内の80代女性宅に警視庁を名乗る人物から「指示に従わなければ口座を凍結する」などと脅す電話があり、女性は大江町支店のATM(現金自動出入機)を訪れ、口座凍結前に預金を引き出そうとした。しかし、一日の利用限度額を超過し引き出せなかったため、窓口にいた仲野さんに相談した。
女性から話を聞いた仲野さんは特殊詐欺を疑い、その日、支店長代理を務めていた水口さんに報告。水口さんが警察に通報し、仲野さんとともに詐欺の可能性があることを女性に説明し理解を得たことで被害を防いだ。
感謝状は京都府警本部から大江町支店に、福知山署から仲野さんと水口さんに贈られた。贈呈式は同支店であり、同署生活安全課の橋本圭司課長がそれぞれに手渡した。
橋本課長は「特殊詐欺は引き出した現金を別の口座へ送金させる事例が一般的だが、『口座を凍結する』という部分に違和感を覚え、被害阻止に動かれたのは非常に良かった」と称賛した。
仲野さんは「普段から特殊詐欺には注意しようと、支店内でも共有しており、今回被害を防げてほっとしている」と語り、森下支店長(49)は「特殊詐欺は多種多様化しているため、我々も最新の手口を常に把握するのは難しい。だからこそ、今後もお客様とのコミュニケーションを大切にし、地域に根付いた金融機関として、みなさまの大切な財産を守っていきたい」と話している。