【鈴鹿】同居する両親を殴り、父親に重傷を負わせたとして、三重県警鈴鹿署は24日、暴行と傷害の疑いで、鈴鹿市野辺一丁目、無職滝口敦士容疑者(52)を逮捕した。
逮捕容疑は22日午後9時50分ごろ、自宅で母親(78)の顔を殴り、父親(85)の脇腹を殴って全治不詳の肋骨(ろっこつ)骨折や外傷性気胸を負わせるなどした疑い。容疑を認めている。
同署によると、滝口容疑者が「同居人が苦しそうにしている」と119番。2人は四日市市内の病院に救急搬送され、父親は入院して治療を受けている。
浴室にいた滝口容疑者が洗面所に入ってきた母親を殴り、止めに入った父親も殴ったという。両親は以前「息子が暴れている」などと同署に相談していた。
事務処理の遅れを取り繕うために公文書を改ざんしていたとして、三重県教委は23日、四日市市立中部西小(同市北町)で勤務する男性主事(25)を、停職1月の懲戒処分とした。
県教委によると、主事は昨年7月から今年3月にかけ、学校で購入した文房具やコピー用紙などの支払いを後回しにし、遅れを取り繕うために請求書や納品書の日付を書き換えた。
支払いが遅れたのは17件で、総額は41万4595円。遅れは最大で約3カ月間に上る。改ざんには砂消しゴムや修正テープを使い、支払い期限に間に合ったように見せようとした。
市教委が今年4月、学校の事務書類を点検していたところ、書類に不審な点があるのに気付いて改ざんが発覚した。県教委は「刑法には抵触しない」として、刑事告発はしない方針。
主事は「机の上を整理できず、請求書が他の書類に埋もれていた。慣れが生じ、独断で処理してしまった」などと説明。「公務員の自覚を欠いた行動で、申し訳ない」と話しているという。
福永和伸教育長は定例記者会見で「公教育に対する信頼を大きく傷つけたことを重く受け止めている」と陳謝。「管理職によるチェックを徹底するなど、業務の改善を図る」と述べた。
【四日市】インスタグラムを通じて知り合った女性に脅迫メッセージを送信したとして、四日市南署は20日、脅迫の疑いで、愛知県豊田市貝津町、工員管野龍之介容疑者(27)を逮捕した。
逮捕容疑は1日午前1時40分ごろと同4時50分ごろ、飲食店店員の10代女性にインスタグラムで「一緒にしの」「無理矢理にでも道連れにする」「殺すぞ」などとメッセージを送った疑い。
同署によると、女性が同署に相談して被害が発覚した。管野容疑者は「殺すぞとメッセージを送った記憶はあるが、それ以外は記憶がない」と容疑を一部否認している。
不正車検を巡る贈収賄事件で、車検を不正に通す見返りに現金を受け取ったとして加重収賄や道路運送車両法違反などの罪に問われた自動車検査員で自動車整備会社「リトルガレージ」(鈴鹿市石薬師町)元代表田中正樹被告(60)=同市三日市=の初公判が21日、津地裁(出口博章裁判長)であり、田中被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
起訴状などによると、田中被告は4―5月、自動車販売業伊達千尋被告(58)=贈賄罪などで公判中=ら2人から、トラック2台に関する不正車検の見返りに現金計2万7千円を受け取ったとされる。
検察側は冒頭陳述で、「約20年にわたって法定の点検や整備、検査をすることなく、不正車検を繰り返した」と説明。同社に車を持ち込むことなく車検を通すことがあったと指摘した。
証拠調べでは、同社が事業規模と比べて極めて多い台数の車検を通していたことや、同社の検査場が長期間にわたって使用された形跡がないことなどを明らかにした。
また、不正車検に関わったとして同社元従業員の山田幸則被告(57)と堀家昌利被告(62)も道路運送車両法違反などの罪に問われている。この日の公判で、山田被告は2台のうち1台の不正車検は「認識がなかった」などとして起訴内容の一部を否認。堀家被告は起訴内容を認めた。
一見勝之三重県知事は22日の定例記者会見で、県志摩建設事務所の男性職員(42)が窃盗(万引)の疑いで逮捕されたことについて「県民に申し訳ない」と述べ、綱紀粛正を図る考えを示した。
一見知事は会見で、逮捕容疑の窃盗行為について「まだ可能性の段階」と前置きした上で「法を執行する公務員が法を犯してしまったことを県民に申し訳なく思う。非常に遺憾」と述べた。
聞き取りの状況については「捜査に影響を与えてはならない」として、説明を控えた。職員への対応については「本人が属している職場できちんと対応するよう指示している」と語った。
職員の勤務態度を問われた一見知事は「問題があったという情報には触れていない」と説明。この職員に対する処分歴の有無については「詳細には把握していない」と述べるにとどめた。
職員は8月10日未明、伊勢市内のコンビニでフィギュア4個(販売価格計約5千円)を盗んだ疑いで今月20日、伊勢署に逮捕され、翌21日に釈放された。容疑を認めているという。
【津】三重県警津署は22日、津市の40代男性公務員が動画広告を通じて知り合った人物に、株への投資名目で現金661万円をだまし取られたと発表した。詐欺事件として捜査している。
同署によると、男性は7月上旬、動画投稿サイト「ユーチューブ」の投資に関する広告を通じて投資家を名乗る人物とLINE(ライン)で連絡。「相場情報や銘柄選定の技術を共有している」などと言われ、指示された投資サイトに登録した。
男性は8月上旬までに、投資名目で現金81万円を指定された口座に入金。サイト上に表示された利益を信じ、先月16日までに、さらに現金を振り込んだ。利益を引き出すために入金を求められ、同署に相談した。
三重県いなべ市大安町平塚の住宅で住人の男性が首を絞められて殺害された事件で、遺体で見つかった夫と共謀して男性を殺害したとして、津地検は22日、殺人罪で、母親の水谷洋子容疑者(79)を起訴した。
起訴状などによると、水谷被告は先月29―30日、夫=当時(82)=と共謀の上、自宅で同居する会社員の息子=当時(53)=の頭を金づちで複数回殴り、コードなどで首を絞めて殺害した疑い。地検は認否を明らかにしていない。
夫は30日未明、自宅の車庫で首をつった状態で見つかった。捜査関係者によると、水谷容疑者は調べに対して「私たちは以前から息子の借金に頭を悩ませていた」などと供述しているという。
【伊勢】コンビニでフィギュアを盗んだとして、三重県警伊勢署は20日、窃盗(万引)の疑いで、伊勢市小俣町湯田、県志摩建設事務所職員川村和彦容疑者(42)を逮捕した。
逮捕容疑は8月10日午前2時50分ごろ、市内のコンビニで、人気漫画のフィギュア4個(販売価格計約5千円)を盗んだ疑い。
同署によると、川村容疑者がフィギュアを服の中に隠す様子が防犯カメラに写っていたという。「好きな漫画のフィギュアが欲しかった」と容疑を認めている。
県人事課の担当者は「本人確認ができていないのでコメントできないが、事実であれば捜査結果を踏まえて速やかに対処する」と話した。
【津】旅館で女性にみだらな行為をしようとしてけがをさせたとして、津南署は20日、不同意性交致傷の疑いで、自称津市半田、自称解体作業員岡村翔麻容疑者(20)を逮捕した。
逮捕容疑は先月19日午後7時ごろ、市内の温泉旅館で、宿泊客の20代女性を男湯に連れ込み、みだらな行為をしようとして打撲などのけがをさせた疑い。「何も言わない」と容疑を否認している。
同署によると、当時、男湯には他に人がいなかったという。女性が叫んで抵抗し、岡村容疑者は逃走。今月19日に市内の別の旅館で公然わいせつ事案の通報があり、駆け付けた署員が現場付近にいた岡村容疑者から話を聞いていた。
【鈴鹿】特殊詐欺事件で電話をかける「かけ子」をしたなどとして、三重県警は17日、詐欺の疑いで、東京都中央区晴海5丁目、職業不詳塩谷眞央容疑者(31)と住所不詳、無職及川翔真容疑者(25)を逮捕した。
逮捕容疑は2月13日、及川容疑者が大阪市都島区の80代男性に息子を装って「女性を妊娠させた」などと電話をかけ、同市旭区の路上で別の男が男性から現金500万円などを受け取った疑い。
鈴鹿署によると、特殊詐欺事件でかけ子をしたとして逮捕した男の捜査で2人が浮上。塩谷容疑者は及川容疑者の指示役とみられる。同署は「今後の捜査に支障がある」として2人の認否を明らかにしていない。
塩谷容疑者は先月28日、特殊詐欺事件に関わるかけ子を勧誘したとして逮捕されていた。同署は塩谷容疑者が及川容疑者ら複数のかけ子を管理していたとみて、詳しい役割や他に関与した人物などを調べている。
【鈴鹿】不正車検を巡る贈収賄事件で、三重県警は16日までに、加重収賄や道路運送車両法違反などの疑いで、自動車検査員で自動車整備会社「リトルガレージ」(鈴鹿市石薬師町)代表田中正樹被告(60)=加重収賄罪などで起訴=ら男女12人を書類送検し、同社を巡る一連の捜査が終結した。県警への取材で分かった。
贈賄や同法違反容疑などで書類送検されたのは自動車販売業伊達千尋被告(58)=贈賄罪などで公判中=ら同社に車検を依頼した男女5人。うち、2人は伊達被告を通じて同社に車検を依頼していた。
また、不正車検に関わったとして、県警は同法違反などの疑いで、同社従業員の男2人=同法違反罪などで起訴=ら男女6人も書類送検した。
県警によると、田中被告の送検容疑は、伊達被告らから依頼されたトラックなどの車検を不正に通した見返りに現金を受け取った疑い。県警はいずれの認否も明らかにしていない。
田中被告は伊達被告ら2人から、トラック2台に関する不正車検の見返りに現金計2万7千円を受け取ったとして、8月までに逮捕、起訴されていた。
リトルガレージは国が指定する民間車検場で、自動車検査員の田中被告は「みなし公務員」に当たり、収賄罪の対象となる。同社を巡る一連の事件で県警が摘発したのは13人となった。
生徒にわいせつな行為をしたとして、三重県警は16日、不同意わいせつの疑いで、津市久居新町、元私立校教員高木真清容疑者(50)=不同意性交罪などで公判中=を再逮捕した。逮捕は9回目。
逮捕容疑は昨年11月15日ごろ―12月2日ごろ、当時勤務していた県内にある私立校の寮で、10代の生徒にわいせつな行為をした疑い。「ありえない」と容疑を否認している。
県警によると、高木容疑者は授業時間外に生徒を寮の一室に呼び出したという。昨年12月に学校から被害についての通報があり、県警が捜査していた。
高木容疑者は他の生徒9人に対する不同意性交や不同意わいせつの疑いで逮捕されていた。県警は他の生徒も被害を受けていたとみて調べを進めている。
【名張】三重県警名張署は16日、県内在住の60代女性が株式投資に関するLINE(ライン)広告をきっかけに、投資名目で現金1億円をだまし取られたと発表した。詐欺事件として捜査している。
同署によると、女性は8月4日ごろ、LINE上の株式投資に関する広告を通じて女性を名乗るアカウントを登録。株式投資の専門家を名乗るアカウントを紹介され、株式投資や投資アプリの使用を勧められた。
女性は先月10日、現金1千万円を指定された口座に入金。その後も今月3日までに、8回にわたって複数の口座に現金を振り込んだ。アプリに利益が出ているような表示があり、女性は出金しようとしたが、さらなる入金を求められ、不審に思って同署に相談した。
【南牟婁郡】三重県の御浜町は15日、部下にパワーハラスメント行為をしたとして、福祉保健課の女性職員を戒告の懲戒処分にしたと発表した。
町によると、女性職員は今年4―5月の勤務時間内に、部下の職員に対し、他の職員の前で業務の適正範囲を超える指導を複数回行った。
見かねた同課職員が町総務課の相談窓口に通報して発覚。聞き取り調査の結果、町がパワハラと認定した。女性職員は事実と認めている。
町は「改めてハラスメント禁止を周知し、再発防止に努める」とのコメントを出した。全職員を対象としたハラスメント研修を実施する。
【亀山】三重県警亀山署生活安全課は年金支給日の15日、亀山市田村町のマックスバリュ亀山みずほ台店で、買い物客らに特殊詐欺被害防止を呼びかける広報啓発活動をした。同みずほ台店が協力。
同署生活安全課の信藤敦史課長と川崎駐在所勤務の笹之内潤一警部補のほか、自治会役員らで構成する「このまち良くし隊員」ら計9人と、特殊詐欺撲滅犬に任命されている、笹之内警部補の愛犬「あん子」(ミニチュアシュナウザー・メス9歳)も参加した。
信藤課長らは買い物客に「STOP特殊詐欺 被害は一本の電話から」と書かれたチラシを手渡し、「自分は大丈夫と思わず、心当たりのない電話などには対応しないこと」と呼びかけた。
信藤課長は「役所を名乗る還付金詐欺や架空料金請求詐欺のほか、SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺など手口が巧妙化している。おかしいと感じたら、家族や警察に相談することです」と話していた。
【津】三重県警津署は15日、津市の50代男性会社員がマッチングアプリを通じて知り合った人物に現金約2500万円をだまし取られたと発表した。詐欺事件として捜査している。
同署によると、男性は8月下旬、マッチングアプリを通じて女性名の人物のLINE(ライン)アカウントを登録。「広告に資金を投入し、広告を見たユーザーがインストールすると収益が得られる」と言われた。
男性は先月5日、現金約20万円を指定された口座に入金。利益が出ていると思い、さらに16回にわたって現金を振り込んだ。その後「マネーロンダリング(資金洗浄)の疑いがある」などと言われたことで知人に相談。知人から指摘を受け、詐欺に気付いた。
また、津南署は、津市の40代女性がマッチングアプリで知り合った男性を名乗る人物に、暗号資産への投資名目で、約730万円分の暗号資産をだまし取られたと発表した。
松阪署は9日、多気郡の20代女性が45万円分の電子マネーカードの利用権利をだまし取られるSNS(交流サイト)型ロマンス詐欺事件が発生したと発表した。
同署によると、8月13日ごろ、SNSを通じて知り合ったイギリス在住のオーストラリア人男性を名乗る人物とライン(LINE)でやりとりし、荷物を受け取る約束をしていたところ、配送会社を名乗る者から「荷物が税関の検査で引っかかり廃棄される」とメールが届き、男性から「スーツケースの中にお金が入っているので廃棄されたくない。代わりに払ってほしい」と言われ、指示されるまま同月18日、松阪市と同郡のコンビニエンスストア駐車場で五回にわたり電子マネーカードのコード番号を伝えた。
【四日市】四日市南署は10日、四日市市の30代男性会社員が警察官を装った男らに「あなたの口座が詐欺グループで使用されている」などと言われ、現金100万円をだまし取られたと発表した。詐欺事件として捜査している。
同署によると、男性は8日、携帯電話にクレジットカード会社を名乗る男から「あなたのクレジットカードを使って百貨店で時計が購入された。北海道警に被害届を出して」と電話があり、道警の警察官を名乗る男とLINE(ライン)で連絡するようになった。
9日にはラインのビデオ通話で男に「身の潔白を示すにはお金の流れを調べるのが早い」と言われ、現金を指定された口座に振り込んだ。男性が上司に話し、上司から警察に通報があった。
三重県内で交通死亡事故が相次いだことを受け、三重県警は9日、県内38カ所で一斉交通取り締まりを実施した。3日未明に5人が死亡する事故が起きた名張市内の国道では、警察官が速度違反を取り締まった。
県警によると、県内では今年、8日までに交通死亡事故が42件発生し、前年同期比13人増の47人が亡くなった。8月には死亡ひき逃げ事件が連日発生するなど、11人が亡くなり、9月にも4人が死亡した。
今月3日に名張市上小波田の国道165号であった事故では、6人が乗った軽乗用車がカーブを曲がりきれずに横転。16―23歳の男女5人が死亡した。県警は、軽乗用車が50キロの規制速度を大きく超えて走行していたとみている。
9日の一斉取り締まりで、名張市内の国道165号では、事故現場から約1キロ離れた交差点付近など2カ所で速度違反の取り締まりを実施。移動式の速度違反取り締まり装置(オービス)などを用い、計7件の速度違反を摘発した。
県警交通指導課の堀畑守民課長補佐は「県内では飲酒や速度超過が原因とみられる死亡事故が多発している。交通ルールを守り、緊張感を持った運転を心がけてほしい」と話した。
【四日市】空き家に侵入して貴金属などを盗んだとして、三重県警は9日、邸宅侵入と窃盗の疑いで、愛知県大治町三本木柳原のアパートで同居し、ベトナム国籍とみられる無職の男4人を逮捕した。
逮捕したのは、いずれもベトナム国籍のユーン・ヴー・フォン(30)▽レ・ディン・ホア(26)▽グエン・ヴァン・アイ(29)―の3容疑者と自称同国籍の自称グエン・ヴァン・バン容疑者(30)。
逮捕容疑は先月10日午後11時半ごろ―翌11日午前0時40分ごろ、四日市市別名1丁目の空き家に侵入し、現金約75万円と指輪など8点(時価合計270万円相当)を盗んだ疑い。
県警によると、8月ごろから北勢で空き家を対象にした窃盗事件が相次いでおり、他の被害への関与や4人の役割分担などを調べている。県警は「捜査に支障がある」として、4人の認否を明らかにしていない。
【伊勢】特殊詐欺被害を未然に防いだとして、三重県警伊勢署は7日、伊勢市黒瀬町のJA伊勢中央支店浜郷の店長大山薫さん(48)と、職員の梅本まどかさん(49)に感謝状を贈った。
9月12日午後2時40分ごろ、市内の70代女性が来店し、窓口でATMの出金限度額の制限解除などを申し出た。手続き中、女性が何度も店外へ出て携帯電話で通話する様子を梅本さんが不審に思い、大山店長に報告。女性に事情を聞いてもつじつまが合わず、一度は帰宅した女性の自宅を訪ね、かたくなに「詐欺ではない」という女性を説得して、署へ通報し、被害を未然に防いだ。
同店で濵井良太署長が感謝状を手渡した。濵井署長は、管内で詐欺被害が大幅に増加していることに触れ「予断を許さない状況で、対策しても食い止めることが難しい。しっかりと被害者の話を聞き対応していただいた」と感謝した。
同店が詐欺被害防止で感謝状を受けるのは、6月に続き2回目。大山店長は「詐欺の被害が増えていると実感する。ちょっとした『気づき』を大切に、職員全員に声かけの対応を確認したい」と話した。
同署によると、管内の特殊詐欺被害件数は、今年8月末時点で31件(前年同期比19件増)、被害額は1億9千万円(同1億5千万円増)と急増している。
三重県亀山市の新名神高速道路を逆走して玉突き事故を引き起こし、6人に重軽傷を負わせたとして、危険運転致傷などの罪に問われたペルー国籍の無職ロッシ・クルーズ・ジョン・エリアス被告(35)=滋賀県長浜市小堀町=に対し、津地裁(湯川亮裁判官)は8日、懲役1年6月(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。
判決などによると、ロッシ被告は5月18日午前11時ごろ、亀山市安坂山町の新名神高速下り鈴鹿トンネル付近を乗用車で逆走し、走行車両を妨害。車4台が絡む玉突き事故を引き起こし、6人に脊髄損傷などのけがをさせたとされる。
また、ロッシ被告は事故後に逃走したほか、逆走の約7時間前には名古屋市内で飲酒運転をしていたとして、道交法違反(救護・報告義務、酒気帯び運転)の罪にも問われていた。
湯川裁判官は判決で、ロッシ被告が複数の店で飲酒してから高速道路に入り、目的地を通り過ぎてから逆走したことを踏まえて「経緯に酌むべき点がない」と強調。「飲酒運転の発覚を恐れて逆走を再開したといい、身勝手な意思決定は強い非難に値する」と述べた。
「逮捕されたくないとの身勝手な考えで現場から逃走した」と説明。事故後も約9キロにわたって逆走を続けたことなどから「交通ルールを軽視する態度は限度を超えている」と指摘した。
その上で、翌日に自ら出頭したことや加入していた自動車保険による被害弁償が見込まれることなどを考慮しつつ「執行猶予は相当ではない」と結論付け、実刑判決を言い渡した。