事件関係者から現金をだまし取ったとして県警が男性警部補(47)を懲戒免職としたことを受け、敦澤洋司本部長は24日の定例記者会見で「ゆゆしき事態。厳粛に受け止めている」と述べた。
県警によると、警部補は4月、事件捜査で知り合った男性に「報道を止めるには接待が必要」という趣旨のうそを言い、男性から現金50万円をだまし取ったとされる。県警は今月12日付で警部補を懲戒免職とし、詐欺容疑で書類送検した。
敦澤本部長は記者会見で「警察活動は県民の信頼の上に成り立っている」と強調。「職員の倫理観や使命感を高め、非違事案を防ぐ仕組みを作ることが重要」と話した。
また、伊勢署で証拠品の車が壊された事件について「大変遺憾で、あってはならないこと。再発防止に努める」と述べた。県警は「現時点で捜査中の事案である」として、当時の車の保管状況などを明らかにしていない。
【伊勢】伊勢署は22日、伊勢市の60代男性が警察官や検察官を装った男らに「あなたの口座を止める」などと言われ、現金175万円をだまし取られたと発表した。詐欺事件として捜査している。
同署によると、男性は7月2日、「NTT」を名乗る男から「強制執行で電話を止める。大阪府警に転送する」と電話があり、大阪府警を名乗る男に「あなた名義の口座が犯罪に使用された」などと言われた。
その後、大阪地検を名乗る男に「あなたの銀行口座を差し押さえる。容疑を晴らすにはお金を指定する口座に振り込む必要がある」と言われ、現金を指定された口座に振り込んだ。数日後に男と連絡が途絶え、実際に大阪地検に電話し、詐欺被害に気付いた。
【鈴鹿】鈴鹿署は18日までに、暴行と暴力行為法違反の疑いで、四日市市笹川五丁目、建設会社社長中村海斗容疑者(24)と鈴鹿市池田町、建設作業員林愛斗容疑者(21)を再逮捕した。
逮捕容疑は先月18日午前1時半ごろ―同5時半ごろ、鈴鹿市高岡町の駐車場などで、同社元従業員の少年(15)にはさみを近づけて「指切ったろか」と脅し、スタンガンで繰り返し電流を流すなどした疑い。
同署によると、2人は翌日にも少年に暴行を加えたとして逮捕されていた。「バイクの修理代を払わせるためだった」などとおおむね容疑を認めている。
【四日市】四日市南署は18日、四日市市の60代男性がSNS(交流サイト)を通じて知り合った外国人女性を名乗る人物に約1900万円分の暗号資産をだまし取られたと発表した。詐欺事件として捜査している。
同署によると、男性は7月下旬、SNSを通じてLINE(ライン)で連絡するようになった人物に暗号資産への投資を勧められ、暗号資産取引アプリや架空の投資サイトに登録した。
男性は暗号資産への投資名目で、先月22日までに8回にわたって暗号資産「イーサリアム」を購入。指定されたアドレスに送金した。投資サイトに表示されていた利益を引き出そうとしたところ、さらに支払いを求められ、不審に思って金融機関に相談した。
【津】津署は18日、津市の80代女性が警察官や検察官を装った男女に「このままでは逮捕される」などと言われ、現金約1750万円をだまし取られたと発表した。詐欺事件として捜査している。
同署によると、女性は8月上旬、警察官を名乗る男から「薬物事件の捜査で容疑者としてあなたの名前が挙がっている。あなた名義の口座に現金が振り込まれている」と電話があった。
その後、検察官を名乗る女に電話で「紙幣番号を調べるのでお金を下ろして」と指示を受け、毎日のように自身の口座から出金。同月19日と28日、現金が入った紙袋を表札の下に置き、何者かに持ち去られた。
女性は「預かったお金は9月8日に振り込む」と言われていたが、返金されないことから金融機関に相談し、詐欺被害が発覚した。
【四日市】出資金名目で知人から現金6千万円をだまし取ったとして、三重県警四日市南署は16日、詐欺の疑いで、四日市市西伊倉町、アルバイト従業員服部博貴容疑者(51)を逮捕した。
逮捕容疑は令和五年ごろ、知人男性(62)に「前回取引した土地について、付近の土地も購入する計画がある」などとうそを言い、昨年9月4日、市内で現金6千万円を受け取った疑い。
同署によると、今年7月、服部容疑者と連絡が取れなくなった男性から被害についての相談があった。男性は以前に服部容疑者と土地の購入をしたことがあるという。
服部容疑者は「架空の土地取引に関する代金をだまし取ったが、他に計画していた取引で得たもうけで返すつもりがあった」と容疑を一部否認している。
【伊勢】6人で共謀し、警察署に侵入して保管されていた車のガラスを割ったとして、県警は12日、建造物侵入と器物損壊の疑いで、愛知県知多市つつじが丘四丁目、無職永吉正樹容疑者(44)ら男4人を逮捕したと発表した。逮捕は10日付。
他に逮捕したのは名古屋市守山区幸心三丁目、無職轟木正和(45)▽同県知多市岡田美里町、建設業藤本健斗(32)▽名古屋市名東区照が丘、会社員松原智宏(38)―の3容疑者。
4人の逮捕容疑は昨年11月14日午前3時ごろ、他の男2人と共謀し、伊勢署の敷地内に侵入。証拠品として車庫に保管されていた乗用車の後部ガラスを割った疑い。県警は4人の認否を明らかにしていない。
県警によると、車内には物色された形跡があったという。乗用車は別の事件の証拠品として同署が2日前に押収し、14日以降に車内を捜索する予定だった。
県警は乗用車と永吉容疑者らの間に何らかの関係があるとみて動機を調べるとともに、共謀したとみられる男2人の行方を探している。
当直中の署員は侵入に気付いていなかった。県警の担当者は「警察署の敷地内に侵入され、証拠品を損壊されたことは重く受け止めている。改善すべき点があれば適切に対応する」と話した。
【四日市】四日市南署は12日、四日市市内の60代男性会社役員が株式投資を名目に現金2500万円をだまし取られたと発表した。詐欺事件として捜査している。
同署によると、男性は6月中旬、LINE(ライン)上で証券会社を装ったグループを登録。投資家のアシスタントを名乗る人物に株式投資を勧められた。
男性は指示通り、投資名目のアプリを登録。市内の金融機関にあるATM(現金自動預払機)から、4回にわたって指定された口座に現金を振り込んだ。
男性が追加で入金しようと別の金融機関を訪れたところ、職員が不審に思って同署に通報。振込伝票を撮影して送るとアプリに金額が表示される仕組みだったという。
捜査に携わった事件の関係者に「報道を止めるには接待が必要」などとうそを言って現金をだまし取ったとして、三重県警は12日、詐欺の疑いで、警察署所属の男性警部補(47)を津地検に書類送検し、同日付で懲戒免職とした。
送検容疑は4月上旬―中旬、事件の捜査で知り合った男性に「報道を止めるには所要の接待が必要」という趣旨のうそを言い、同月19日、県内の駐車場で男性から現金50万円をだまし取った疑い。
県警によると、第三者から同月下旬ごろに情報提供があり、発覚した。警部補は男性が事件について報道されることに強い不安を感じていることにつけ込んだという。県警の聞き取りに、警部補は現金を受け取ったことは認めた上で「だまし取るつもりはなかった」と容疑を否認している。
当初から事件の公表予定がなく、接待行為も確認されていないことなどから、県警は事件の捜査や報道に「影響はなかった」と説明している。
山本展慶首席監察官は「警察の責務に背く言語道断の信用失墜行為。被害に遭った男性や県民に深くおわび申し上げる。事案の重大性を厳粛に受け止め、信頼回復に全力を尽くす」と話した。
【桑名】特殊詐欺やSNS型ロマンス詐欺の被害を未然に防いだとして、三重県警桑名署は11日、桑名市内の3団体と3人に感謝状を贈呈した。
感謝状は、特殊詐欺を防いだ桑名在良郵便局と職員の脇裕嗣さん(54)、同じく桑名長島郵便局と職員の今井真由美さん(56)、SNS型ロマンス詐欺を防いだ百五銀行蓮花寺支店とパート従業員の女性にそれぞれ贈り、署で筒井正司署長が手渡した。脇さんは業務があり、欠席した。
事案はいずれも8月に発生した。両郵便局は高齢者、同支店は40代女性が被害に遭いそうになっていたことに気づき、署に通報して水際で被害を食い止めた。
筒井署長は「引き続き最後のとりでとして、ちょっとしたことでも声を掛けてもらえたら」と協力をお願いし、感謝の言葉を述べた。