熊本県警は28日、県内の飲食店で知人女性に不適切な行為をし、会食後に巡回中のパトカーを呼び出して自宅まで送らせたとして、警察署捜査係の20代男性巡査長を停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した。
男性巡査長は昨年10月2日午後9時~3日午前2時ごろ、警察官5人と知人女性1人が参加した飲食店の会食で、女性に「品位に欠く不適切な行為」をしたという。女性が翌日、巡査長の同僚に相談して発覚した。行為の詳細は「女性のプライバシーへの配慮」として明らかにしていない。
会食後、巡査長は同じ署の同僚2人が巡回していたパトカーを呼び出した。後部座席に巡査長と女性、別の20代男性警察官の計3人が同乗し、それぞれの自宅まで送らせた。送迎に要した約20分間に110番通報はなかったとしている。
巡査長は「女性に申し訳ないことをした」「タクシーがつかまらないだろうと思い、安易にパトカーを呼んでしまった」と話しているという。
同じ高齢者が2日続けてターゲットに-。熊本県警は25日、「電話で『お金』詐欺」の「受け子」として八代市の高齢女性から現金をだまし取った詐欺の疑いで、福岡市の解体作業員の男(19)を逮捕した。県警は24日にも同じ女性から現金をだまし取ろうとした女子高校生(17)を詐欺未遂容疑で逮捕しており、関連を調べる。
男の逮捕容疑は氏名不詳者らと共謀。21~23日、八代市の無職女性(85)方に息子を装って複数回電話し「滞納分の税金を支払う必要がある。至急、現金を用意してほしい」などとうそを言い、女性宅を訪れて現金80万円をだまし取った疑い。
八代署によると、男は24日午前、福岡県内の警察署に「昨日(23日)八代市で法律事務所の職員をかたってお金をだまし取った」と自ら電話。男の説明と女性の被害内容が一致したことから熊本県警が逮捕した。「お金に困り、受け子をした」と供述している。
この女性宅には24日、福岡県久留米市の高校3年の女子生徒が「受け子」として現れ、張り込んでいた署員に現行犯逮捕された。張り込みのきっかけは、タクシー運転手から寄せられた「23日に女性宅付近まで不審な客を乗せた」との情報。署は「不審な客」が逮捕した男の可能性があるとみて調べる。
「電話で『お金』詐欺」の「受け子」として高齢女性から現金をだまし取ろうとしたとして、熊本県警八代署と県警組織犯罪対策課は24日、詐欺未遂の疑いで、福岡県久留米市の高校3年の女子生徒(17)を現行犯逮捕した。逮捕のきっかけとなったのは、タクシー運転手からの情報提供だった。
逮捕容疑は氏名不詳者らと共謀。22~24日、八代市の無職女性(85)方に息子を装って複数回電話し「滞納分の税金を支払う必要がある。至急、現金を用意してほしい」とうそを言い、女性宅前の路上で現金数十万円をだまし取ろうとした疑い。
署によると、23日に女性宅付近まで不審な男を乗せたという男性タクシー運転手が「振り込め詐欺にかかわっているようだ」と直感し、近隣の警察署に通報。八代署員が付近を聞き込みし、24日午前に女性宅を訪ねると、女性が「24日に現金を受け取りに来ると電話があった」と話した。
署員は女性に「だまされたふり」を依頼し、女性宅のそばで張り込み。正午ごろ、女子生徒が現れ、玄関先で女性とやりとりしているところを逮捕した。
電話でうその話を持ちかけ現金をだまし取る「電話で『お金』詐欺」。熊本県内では「全県アラート(警報)」が初めて発令されるなど被害が急増中だ。そんな中、熊日のSNSこちら編集局(S編)に、熊本県宇城市の60代の男性から音声が届けられた。「これって詐欺よね?」
男性によると8日午後2時ごろ、全国の警察と同じ末尾「0110」の電話番号からスマートフォンに着信があった。「見覚えない番号で怪しく思った」と、男性は仕事で使っているボイスレコーダー(音声記録装置)の録音ボタンを押したという。音声は約9分間。「警視庁捜査2課の『ヒロタ』」と名乗る男との、生々しいやり取りが残されていた。
音声を再生すると、ヒロタは「兵庫県警から捜査協力要請を受けて電話した」と説明。周囲に第三者がいないかと念を押して確認し「詐欺グループの捜査中、家宅捜索で見つかった大量のキャッシュカードの中に、あなた名義が見つかった。あなたの銀行口座が『オレオレ詐欺』の振込先に使われた」などと説明した。
熊本県警八代署は19日、息子を装う「電話で『お金』詐欺」の実行役として八代市内の高齢女性から現金を受け取ったとして、詐欺の疑いで福岡市の高校1年の男子生徒(15)を逮捕した。
逮捕容疑は氏名不詳者らと共謀して18日午前、八代市の無職女性(90)に息子を装って「2千万円を脱税した。納税に必要な200万円を準備してほしい」とうその電話をかけ、同日午後2時45分ごろ、男子生徒が「弁護士事務所職員」と称して女性宅を訪問。女性から封筒入りの現金200万円をだまし取った疑い。署は「受け子」役とみている。
署によると、女性は現金を渡した直後、親族に相談。離れて暮らす息子が普段と変わらない様子だったと聞いて不審に思い、110番通報した。被害発生から約30分後、署員が八代市内を歩く男子生徒を見つけ、任意同行を求めた。生徒は「弁護士事務所職員」と称して女性宅を訪れたが、ラフな服装だったという。
逮捕時、男子生徒は女性から受け取った現金200万円を所持していた。友人の紹介で知り合った人物から交流サイト(SNS)で「稼げる仕事をしないか」と持ちかけられたという。容疑を認め、「洋服を買うお金が欲しかった」と供述している。
熊本市中央区の13階建てマンションで15日午後6時ごろ、上層階から何者かが投げ落としたとみられる陶器が駐車場にいた50代男性の後頭部に直撃し、男性が2カ月の大けがを負っていたことが17日、捜査関係者らへの取材で分かった。県警は住民への聞き込みや落下物の分析を進めており、殺人未遂や傷害の疑いを視野に捜査している。
捜査関係者によると、建物から重量物などを投げ落とすのは危険な行為で、殺人未遂罪に当たる可能性がある。県警は熊本日日新聞の取材に「慎重に調べを進める」としている。
別の関係者によると、男性はマンション西側にある駐車場の洗車コーナーでバイクを洗っていた。午後5時57分ごろ、男性から約1メートル離れた地面で破裂音が響き、陶器様の破片や土が散乱した。その約2分後、落下物が男性の後頭部に直撃した。一緒に洗車していた40代女性が上から何かが落ちてくる様子を目撃しており、119番通報した。