京都府福知山市内で野焼きが原因とみられる火災が相次ぎ、5月以降、3人が死亡、1人がやけどを負った。特に7月以降は猛暑と少雨による草木の異常な乾燥が火の拡大を助長しており、市消防本部(澤田晴彦消防長)は「これまでと同じ感覚では危険」として、緊急の防火広報を展開。市民に対し、屋外での火気使用を控えるよう強く呼びかけている。死亡した3人はいずれも、消火を試みる中で衣服に火が燃え移ったとみられる。
同本部によると、今年の火災発生件数は7月31日時点で33件にのぼり、このうち野焼きが原因とみられるものは18件、7月だけでも6件と多発している。例年に比べ件数が多かった前年同時期の火災31件(うち野焼きによるもの10件)を上回り、深刻な状況となっている。
気象庁の記録によれば、7月の福知山市内の降雨はわずか4日間。連日の猛暑で草木の水分量が低下し、火が燃え広がりやすい状態が続いているという。
同本部は「『これまでは大丈夫だったから』と油断していると、思わぬ延焼を招く恐れがあり、火が消えたように見えても再び燃え広がる危険もある」と注意を促し、「とくに乾燥注意報や強風注意報が出ている際は火の取り扱いを控えてほしい」と訴える。
銘茶の産地・中丹地域の茶文化を発信するお茶と食のイベント「お茶エキスポ」(実行委員会主催)が19日、京都府福知山市の福知山城公園一帯で開かれた。地元産のほうじ茶や煎茶、抹茶などを使ったジビエ料理、ハンバーガー、プリンなどが販売され、訪れた人たちが、茶の豊かな香りとともに料理を楽しんだ。
実行委は京都府中丹広域振興局と茶の生産、販売者らで組織している。食のイベント「ファーマーズテーブルズ」を手掛ける福知山フロント株式会社と共催し、内記六丁目の山城屋茶舗の協力を得て、地元の飲食店と茶のコラボメニューが多く用意された。
福知山、舞鶴、綾部の3市は、全国茶品評会で何度も農林水産大臣賞を受賞した高品質な茶の生産地としても知られる。
昼ごろには気温がぐんぐん上昇。大粒の汗をぬぐいながら登城坂を上がる来場者には、冷たい水出しの中丹産玉露が振る舞われ、ひと息つく姿が見られた。中には「おいしいですね。どこのお茶ですか」と興味を持ち、茶葉を買い求める人もいた。
銅門番所では、日本茶インストラクターによる福知山産の玉露や抹茶を使った淹れ方体験会が開かれ、参加者が茶葉の特徴などを学びながらゆったりと茶を味わった。家族4人で訪れた原田海斗君(惇明小5年)と莉奈さん(同2年)は抹茶を飲み、「本格的なのは初めてで、良い匂いがしたけどめっちゃ苦かった。大人になったらもう一回挑戦してみたい」と笑顔を見せた。
福知山成美、福知山淑徳、福知山三和分校などの高校生による茶を使ったオリジナルスイーツの販売も人気を集め、早々に売り切れるものもあった。
京都府福知山市消防本部(澤田晴彦消防長)は15日、3月に川北の山裾で発生し、枯れ草約1ヘクタールを焼いた火災で、山林への延焼を防ぐために適切な初期対応をしたとして、市内の事業所に勤務する7人に感謝状を贈った。通報の際には、スマートフォンを使った映像通報システム「ライブ119」も活用され、現場の状況把握に役立ち、早期の鎮火につながった。
感謝状を受けたのは、警備会社・シリウスSPの山崎浩一さん(55)、総合建設業・西田工業の伊藤義隆さん(24)、高木春雄さん(49)、建設業・竜城工務店の吉田清和さん(55)、山木郷史さん(54)、北山直さん(51)、奥村祐之さん(50)の7人。
火災は3月26日午後3時15分ごろ、同地区のため池から北東に約300メートル離れた位置で発生。当時、7人は池の改修工事に従事しており、近くを通ったドライバーから「山が燃えている」と聞いた警備員の山崎さんが、工事現場入り口にいた伊藤さんに伝えた。
火災を確認した伊藤さんは、上司の高木さんと情報を共有しながら119番通報。その間に吉田さんら4人が消火器を持って現場に駆けつけ、燃え広がる枯れ草などに初期消火を行った。現場では、高さ約15メートルの木が燃え、火柱のような状態になっていたという。