タクシー運転手から現金をだまし取ったとして、警視庁四谷署は1日、詐欺の疑いで、住所不定、自称飲食店店員、沖山貴寛容疑者(35)を再逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。「お金は返していた」と容疑を否認しているという。
捜査関係者によると、令和7年5月25日午前7時半~7時40分ごろ、東京都新宿区の路上で、20代のタクシー運転手の男性に「母の治療でお金が必要」、「必ず返す」などと噓をつき、現金35万円をだまし取った疑いがもたれている。
沖山容疑者は会社に相談しようとした運転手に「ドラレコにも(自分が)映っているし詐欺じゃない」などと話し、LINE(ライン)で偽名の連絡先を教え、信頼を得ようとした。運転手は金を返してもらうため口座番号を伝え、翌日に3万円が返ってきたが、それ以降は返金がなかったという。
四谷署は同様の手口でタクシー運転手らから計24回、計約1960万円をだまし取ったとみて裏付けを進めている。だまし取った金は、宿泊費や別の借金返済に充てたとみている。
ロシアに侵略されるウクライナの首都キーウで露軍による空爆があり、ウクライナ当局は1日、計31人が死亡したと発表した。子供5人が含まれる。負傷者は150人以上に上り、このうち16人が子供だった。AP通信などが伝えた。
露軍による攻撃は7月30日夜から31日未明にかけて、キーウの住宅地など20カ所以上に対して行われ、ドローン(無人機)300機以上、ミサイル8発が使われた。露軍のキーウへの一度の攻撃による子供の死傷者数としては、2022年の全面侵攻開始以降で最多だった。
ゼレンスキー大統領は1日、今回の攻撃に関し、「ロシアに圧力を強め、追加制裁する必要性を示している」と訴えた。7月の1カ月間で、ロシアがウクライナ攻撃のためにドローン3800機以上、弾道ミサイル128発を含むミサイル260発以上を使用したとし、「米欧や各国による協力を通じてしか(露軍攻撃は)止められない」と強調した。
トランプ米大統領は7月29日、ロシアがウクライナとの停戦に応じない場合に発動する対露制裁関税の猶予期間について、「今日から10日後だ」と言明している。(岡田美月)
信者の男性2人をそそのかし入水自殺させたとして自称占い師の女が逮捕・起訴された事件で、有印私文書偽造・同行使などの罪に問われた無職、寺崎佐和子被告(47)=大阪府河内長野市=と、自殺幇助(ほうじょ)の罪に問われた無職、滝谷奈織(なぽり)被告(59)=東京都中野区=の初公判が1日、それぞれ大阪地裁で開かれた。
罪状認否で寺崎被告は起訴内容を認めた。滝谷被告も実行行為についてはおおむね認めたが、自身も女に従って自殺しようとしていたとし、「私は結果的に生き残った」と述べた。
検察側の冒頭陳述によると、2人は「創造主」と自称する占い師の浜田淑恵被告(63)=自殺教唆罪などで起訴=のもとで、浜田被告が「神の国のメンバー」と呼ぶ中核的な信者だった。
起訴状によると、滝谷被告は浜田被告と共謀し令和2年7月、体を縛るためのマイクコードや鎮痛剤を準備し、男性2人の自殺を手助け。寺崎被告は翌8月、うち1人の遺書などを偽造し、警察に提出したとしている。
SNS上で男性を中傷したとして、名誉毀損の罪で刑事告訴されていた兵庫県姫路市の高見千咲市議について、兵庫県警は1日、捜査結果を神戸地検に送付した。捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、高見氏は1月、同県高砂市の男性が所属していた団体に絡み、X(旧ツイッター)に「男性は役員を解任されており、最高裁でも男性が敗訴した」などと投稿。男性が名誉を傷つけられたとして告訴状を県警に提出し、受理されていた。
高見氏を巡っては、同月に「兵庫県警の内部では特定候補(斎藤知事ではない)の応援をするように通達されていたと聞いた」とXに投稿し、県警は事実と異なるとして投稿の削除や訂正を申し入れていた。
市議会は3月、不適切なSNS投稿を繰り返したとして高見氏に対する辞職勧告を決議。6月には、「反省する姿勢がみられない」として2度目の辞職勧告を決議した。決議に法的拘束力はなく高見氏は議員活動を続ける意向を示している。
今年に入り急増している警察官をかたる特殊詐欺被害を防ごうと、警視庁大塚署は、洋菓子大手「不二家」(東京都文京区)に対し、被害防止の協力を求める要請書を交付した。地元に本社を置き、長年住民にも親しまれている不二家とタッグを組み、被害に遭わないよう呼びかけるのが狙いだ。
啓発の一環として、不二家本社1階に併設されるカフェ「OTOWA FUJIYA(オトワ フジヤ)」で「ニセ警察官のサギに注意」などと書かれたコースターなどを来店客に配布し、注意を促した。同社の河村宣行社長は「特殊詐欺をなくすために、今後も全面的に協力していきたい」と述べた。
今年に入り大塚署管内で確認された特殊詐欺の被害は11件、被害額は2億3000万円(7月12日時点)に上る。同署の鈴木修署長は「詐欺犯は手を替え品を替え、だまそうとしてくる。地道に防止活動に取り組みたい」と話している。
女性を風俗店などに紹介する国内最大規模のスカウトグループ「ナチュラル」を巡り、紹介料の支払いを拒否した風俗店側を脅迫したとして、警視庁浅草署は暴力行為法違反の疑いで、いずれも職業不詳で、グループのメンバーとみられる埼玉県戸田市の渡辺尚人容疑者(28)と住居不定の南雲直哉容疑者(28)を逮捕した。いずれも黙秘しているという。
グループは女性を風俗店に紹介した見返りに、店側から現金を受け取る「スカウトバック」で稼いでいた。浅草署によると、渡辺容疑者らは、店側がスカウトバックの支払いを拒否し、グループと関係を絶とうとしたことに憤慨し、犯行に及んだとみられる。署は他にも関与した人物がいるとみて捜査している。
逮捕容疑は何者かと共謀し2月6日夕、東京都内の風俗店事務所で、40代の男性従業員に対し、「このままだったらとことんやりますよ」「うちの組織、でかいのわかりますよね」などと脅したとしている。
【ソウル=桜井紀雄】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領による昨年12月の「非常戒厳」宣布について捜査する特別検察官のチームは1日、戒厳に関与したとして、内乱重要任務従事などの疑いで、李祥敏(イ・サンミン)前行政安全相を逮捕した。戒厳に絡んで当時の閣僚が逮捕されたのは、金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防相(内乱罪で公判中)に次いで2人目。
李氏は戒厳宣布直後、尹政権に批判的だった新聞社のハンギョレや京郷新聞、テレビ局のMBCやJTBCの社屋への電気や水道の供給を止めるよう消防当局に指示した疑いなどが持たれている。李氏は全面的に容疑を否認しているという。
対象には、産経新聞など日本メディアのソウル支局が入居する報道機関社屋も含まれていた。
李氏は尹氏や金竜顕氏と同じ高校出身で、金竜顕氏とともに尹氏の最側近として知られた。
一方、尹氏の妻、金建希(キム・ゴンヒ)氏の不正疑惑を調べる別の特別検察官のチームは1日にも、尹氏に対して拘束令状を執行し、強制的に取り調べる方針を固めた。尹氏は戒厳に絡んで7月10日に逮捕され、拘置所に収容中だが、出頭要請を拒否し続けてきた。
7月30日にロシアのカムチャツカ半島付近で発生したマグニチュード(M)8・7規模の地震について、SNS上で科学的な根拠のない情報が拡散されている。南海トラフ大地震など、発生が予測されている巨大災害と関連づけるもののほか、訪日客の減少の一因にもなった「7月中に大災害が起こる」とする漫画家の予言が「的中した」という投稿などが相次いでいる。政府はネット上の情報について、自治体や報道機関を確認するよう呼びかけている。
【画像】震源地近くにシロイルカが座礁し、「地震の前兆か」などとするデマが拡散
フェイスブックやインスタグラムを運営する米メタ社のテキスト投稿SNSのスレッズでは「富士山の活動に変化が起こる」といったものや、6月下旬から鹿児島県・トカラ列島近海で地震が頻発していることなどとも結び付け、「大災害が発生する」という〝予言〟が相次いでいる。
■「大災難は7月にやってくる」
このほかには、「本当の大災難は2025年7月にやってくる」という記述で、香港からの直行便が減便になるなど、訪日客の減少の一因となった漫画家のたつき諒さんの作品「私が見た未来 完全版」(令和4年刊行)について「当たっていたということになるのでは」という投稿もみられた。たつきさんは平成8年に出した漫画で23年の東日本大震災を〝予言〟したと一部で注目された。
今回の地震を受け、自民党の鈴木宗男参院議員は、「自然災害への対応」を続投理由に挙げた石破茂首相に対し、自身のブログで「的を射ていることになる」などと投稿した。
林芳正官房長官は7月31日の記者会見で「SNSなどインターネット上で根拠不明の情報が見られる」と指摘し、災害に関する情報は自治体や報道機関の情報を確認するよう注意喚起した。
総務省はX(旧ツイッター)の公式アカウントで「インターネット上の偽・誤情報には十分ご注意ください」と強調している。(高木克聡)
電車内で下半身を20代女性に押しつけたとして、大阪府警淀川署は1日、府迷惑防止条例違反の疑いで、大阪市都市交通局監理担当課長、岡田雅(まさし)容疑者(51)=高槻市花林苑=を現行犯逮捕した。
逮捕容疑は1日午前8時45分ごろ、大阪市内で走行中の電車内で20代女性に、服の上から自分の下半身を押しつけたとしている。調べに対し、「何の弁解もありません」と容疑を認めている。
同署によると、同じ電車に乗っていた府警鉄道警察隊員が岡田容疑者の不審な動きを目撃し、取り押さえたという。
大阪・関西万博会場内のオフィシャルストアでグッズを万引したとして、大阪府警捜査3課は1日、窃盗容疑で東京都の無職少年(16)と埼玉県の男子高校生(16)の2人を逮捕したと明らかにした。いずれも容疑を認めている。
【写真】万博未払い「倒産して死ねということか」
府警によると、2人の所持品などから、公式キャラクター「ミャクミャク」のカチューシャや鉄道模型など173点(総額約74万円相当)が被害に遭ったとみられる。男子高校生は「高く売れる鉄道模型を万引するためだった」と供述しているといい、府警は転売目的だったとみている。
逮捕容疑は共謀し、6月11日、万博会場内でショッピングバッグ6個を盗んだとしている。
2人はSNSを通じた知人で、府警はほかにも2人が関与したとみている。万博グッズを巡っては、東京都内の大学生2人がすでに窃盗容疑で逮捕・起訴されているが、今回逮捕された2人は別グループとみられる。
30日午後5時40分ごろ、東京都江戸川区大杉の戸建て住宅で、「家の中に人が入ってきた」と110番通報があった。何者かが住宅にいた70代女性と50代女性をハンマーのようなもので殴って逃走しており、警視庁は殺人未遂事件として、行方を追っている。
【写真】事件現場を調べる警視庁の捜査員ら
警視庁小松川署によると、けがを負った女性2人は搬送時、意識があった。インターホンが鳴り、70代女性が出たところ、玄関付近でいきなり何者かに頭部を複数回殴られ、様子を見に行った50代女性も殴られたとみられる。
被害女性は押し入った人物について、「細身で黒っぽいTシャツを着ていた」という話をしており、警視庁が当時の状況などを調べている。
猛暑が続く中、涼を求めて海抜865メートルの六甲山頂付近に位置する六甲高山植物園(神戸市灘区)を訪れた。お目当ては夏の風物詩「ニッコウキスゲ」。約2千株が群生し、オレンジと黄の中間色の花が咲き誇っている。
ユリの花に似ているが、ユリ科ではなくススキノキ科。北海道や本州の高原などでは見られるが、関西以西に自生地はなく同園は貴重なスポット。一面に広がるビタミンカラーが元気を与えてくれる。今年は少しだけ長く、8月初旬まで楽しめる見込みだという。
このほか、園内に点在する多彩なユリの仲間も目を楽しませてくれる。山の上は想像以上に暑かったが、木陰に吹き抜ける風は涼しかった。
午前10時~午後5時。中学生以上900円。4歳~小学生は450円。問い合わせは同園(078・891・1247)。(北村博子)
兵庫県教育委員会は30日、自校の女子生徒にわいせつ行為を繰り返したとして県立豊岡高校の男性教諭(50)を懲戒免職にするなど計4件の懲戒処分を発表した。いずれも同日付。
県教委によると、男性教諭は平成29年11月下旬ごろから同12月にかけ、個別指導などを通じて好意を寄せるようになった女子生徒=当時=と自家用車で出かけ、車内で抱きしめたり、胸を触ったりしたほか、校内でも頰や額にキスをするなどしたという。
今年6月、女子生徒から「在校時に(男性教諭から)わいせつな行為をうけた」などと訴えるメールが県教委に届き、事案が発覚した。男性教諭はわいせつ行為を認めており、「教師としてあるまじき行為であり、(女子生徒に対して)申し訳なく思っている」と話しているという。
また、今年6月15日夜、女性教職員の自家用車のまわりをうろついたり、スマホで女性教職員の姿態や所有物を繰り返し無断で撮影したりした県東部の公立小学校の男性校長(59)を、停職6カ月の処分にした。男性校長は7月30日付で依願退職した。
東京五輪・パラリンピックの大会運営事業を巡る談合事件で、独禁法違反(不当な取引制限)罪に問われた広告最大手「電通」元幹部、逸見晃治被告(57)と法人としての電通グループの控訴審判決が31日、東京高裁であった。高裁は、逸見被告を懲役2年、執行猶予4年、電通グループを罰金3億円とした今年1月の1審東京地裁判決を支持。被告側の控訴を棄却した。
被告側は6月の控訴審初公判で、1審が談合を認めた取引のうち、本大会での運営業務は受注調整していないなどと改めて主張し、即日結審していた。
1審判決によると、大会組織委員会大会運営局の元次長=同罪で有罪確定=らと共謀し、平成30年2~7月ごろ、入札が実施されたテスト大会の計画立案業務、随意契約となった本大会の運営業務で各社の希望を考慮し、受注を制限して競争を制限した。
一連の事件で起訴された法人6社のうち、電通グループを含む4社が1審で有罪判決を受け、残る2社は1審公判中。博報堂とセレスポは1審の有罪判決を支持した東京高裁判決を不服とし、最高裁に上告している。
山梨県警は31日、自らが直接徴収した税金約88万円を着服したとして、30日に業務上横領の疑いで逮捕した元甲府税務署職員、石井克樹容疑者(25)を送検した。東京国税局は、着服額は約430万円にのぼるとして30日付けで懲戒免職にすると同時に、東京派遣国税庁監察官が業務上横領、偽造有印公文書作成などの容疑で甲府地検に送致した。
逮捕容疑は昨年12月から今年5月まで11回にわたり、甲府市内の飲食店経営者から税金の滞納分として現金88万150円を徴収したが、それを着服した疑い。
東京派遣国税庁監察官による捜査では昨年5月からの1年間で、署外で納税者から滞納国税納付として現金を受領する際に、本来領収書を発行すべきものを発行せず、また、領収書を改竄(かいざん)する方法を繰り返し、現金430万円を着服していたことが確認された。
石井容疑者は令和5年から甲府税務署で勤務し、徴収部門で主に滞納整理を担当していた。
東京国税局の佐藤栄一郎総務部長は30日、「税務行政に対する信頼を損なうもので、誠に申し訳なく深くおわびする。再発防止のために万全の措置を講じる」とコメントしている。
【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は30日、ブラジルからの輸入品に40%の追加関税を適用する大統領令に署名した。「相互関税」と合わせ計50%を課すが、航空機やエネルギーなどは適用除外とした。
トランプ政権は各国に対し、新たに設定した相互関税率を8月1日から課すと表明している。
トランプ氏は、自身に近いボルソナロ前ブラジル大統領の起訴を問題視し、関税の引き上げを示唆していた。ただし大統領令によると、航空機や燃料、オレンジジュースなどは対象外とした。
一方、インドに対しては8月1日から25%の関税に加え、ペナルティーを科すとSNSに投稿した。「インドの関税は世界有数の高さだ。非関税障壁も、どの国より厳しく不快だ」と理由を説明した。
インドは武器の大部分をロシアから購入しており、「ロシアにウクライナでの殺戮(さつりく)をやめるよう求めているときに好ましくない」とも記した。
製品分野別に課す関税措置では、トランプ氏が7月30日、輸入する銅の加工品などに8月1日から50%の追加関税を課す布告に署名した。銅線をはじめ加工品が主な対象となったが、銅鉱石などへの適用は見送り、銅の関連物資に一律の高関税を課すことは回避した。
また、トランプ氏は30日、パキスタンと貿易を巡り合意したとSNSで表明した。トランプ氏は原油開発で協力する見通しを示したものの、詳細は言及しなかった。
店舗や公共施設を併設した駅直結の複合賃貸住宅「ekism(エキスム)さいたま新都心」(さいたま市大宮区)に、かつて活躍した寝台特急「北斗星」の備品を取り入れたコンセプトルームが設けられ、注目を集めている。8月末まで入居申し込みを受け付けており、入居開始は10月の予定。
【写真】再現されたA寝台個室「ロイヤル」
北斗星は上野駅と札幌駅を結んでいた夜行特急で、平成27年に惜しまれながら引退した。その後、寝台客車内のベッドや備品は宿泊施設「トレインホステル北斗星」(東京都中央区)で使用されたが、コロナ禍の影響で令和3年に閉業。今回、「北斗星ルーム」として再出発する。
賃貸で2戸用意され、それぞれ2人用個室の「ツインデラックス」と1人用個室「ロイヤル」をモチーフにしている。室内にはベッドをはじめ、客車内の灯具や扉などの備品が使用され、当時の寝台特急の雰囲気を味わうことができる。バルコニーからは「北斗星」が走行していたJR東北本線などの線路を一望できる。
北斗星ルームの賃料は、9階のツインデラックスが19万円、10階のロイヤルが21万円(月額)。希望者向けの内覧会を8月下旬から9月初旬に開催予定という。
運営するジェイアール東日本都市開発の担当者は「備品はもちろん、キッチンなどもレトロ感に寄せるなどこだわった。当時の雰囲気を再現した北斗星ルームで、特別な時間を過ごしてほしい」とアピールしている。
「ekism さいたま新都心」は、賃貸住宅にレストランやファストフード店、スーパー、埼玉県の産業交流拠点「渋沢MIX」などを併設する複合施設。今月25日にグランドオープンした。(文・写真 鴨志田拓海)
■鴨志田拓海
東京写真報道局記者。東京都生まれ、茨城県出身。令和3年入社、ニュース担当。ローカル鉄道の取り組みなどを追った写真で2024年東京写真記者協会企画部門賞を受賞。趣味はドライブ。
31日午前10時ごろ、大阪市中央区上本町西のマンション建設現場で「男性がクレーンに挟まれた」と119番があった。大阪府警南署によると、男性作業員(35)=堺市西区=が掘削作業をしていたクレーンに挟まれ、病院に搬送されたが死亡が確認された。同署は業務上過失致死容疑も視野に詳しい状況を調べている。
同署によると、当時現場ではマンションの基礎工事が行われており、男性はクレーンの操縦席と車輪の間に挟まれたとみられる。
現場は近鉄大阪上本町駅から北西に約150メートルの集合住宅が並ぶ地域。
深刻化する詐欺被害を防ごうと、大阪府は8月1日、ATMでの携帯電話の使用制限などを盛り込んだ改正条例を施行する。今年に入り、特殊詐欺とSNS型投資・ロマンス詐欺を合わせ、全国で1日平均約4億5千万円の被害が発生。詐欺被害の「出口」ともいえるATMでの対策強化に大阪が全国に先駆けて乗り出す。金融機関などにも防止措置を課すが、違反しても罰則はなく、実効性が問われそうだ。
【ひと目でわかる】特殊詐欺撲滅に向けた条例改正の主な内容
改正されたのは「大阪府安全なまちづくり条例」。65歳以上の高齢者を対象にATMの操作時に携帯電話での通話を禁じ、金融機関にもポスターなどによる周知を義務付けた。10月1日からは、過去3年間にATMでの振り込み履歴がない70歳以上に対し、振り込み上限額を1日原則10万円以下に制限することも義務化される。
詐欺被害の防止は喫緊の治安課題だ。警察庁によると、全国で昨年認知した特殊詐欺とSNS型投資・ロマンス詐欺は計約3万1千件で、被害額は約2千億円と過去最悪を記録した。今年は昨年を上回るペースで、1~5月の認知件数(暫定値)は約1万3千件と前年同期比で約25%増加。被害額は2倍超の約680億円にのぼる。単純な日割では1日平均約4億5千万円の被害で、特殊詐欺の2人に1人は高齢者が被害に遭っている。
詐欺グループはさまざまな手口を用いるが、大阪府内では「還付金詐欺」の認知件数が令和4年から3年連続で全国ワーストだ。自治体職員をかたって医療費の還付金が得られるなどと偽ってATMに誘導した上、操作に不慣れな高齢者らに電話で指示を出し、現金を振り込ませる。改正条例では被害の「出口」となるATMでの入金を封じることを目指す。
大阪府警はこれまで、特殊詐欺の入り口となる固定電話に自動録音機能や不審電話の着信拒否機能を備えるよう推奨。各自治体でも、こうした機能がある固定電話の購入に補助金を出してきた。ただ、府警幹部は「手口は巧妙化している。入り口だけでなく、水際対策も重要だ」と話す。
さらに、改正条例ではATMを管理する金融機関にも努力義務として、最新の防犯機器の設置も盛り込んだ。一部の金融機関は施行を前にすでに動き出している。
大阪府警は29日、110番通報のシステムで、通報者の声が聞こえなくなる障害が発生したと発表した。すでに復旧しており、府警は原因を調査している。
府警によると、障害は同日午後5時50分ごろから発生。府警は2回線で通報を受信しているが、うち1つで通報者からの音声が聞こえなくなった。午後7時半ごろから障害が発生した回線を遮断し正常な回線のみで対応。午後9時50分ごろに復旧したという。
障害が発生した回線には、遮断するまでの間に245件の通報があった。うち200件については通報者が再度電話したり府警が折り返したりして連絡が取れた。障害による事件捜査への影響は現在までないという。
府警は「現在も連絡が取れていない方は再度通報をお願いします」と呼びかけている。
大阪・関西万博の国際交流プログラムに参加し、大阪府交野市に滞在中のエチオピア人女性(27)が行方不明になったことが29日、分かった。プログラムの受け入れ窓口となっている交野市の山本景市長が同日記者会見し「青天の霹靂(へきれき)。一刻も早く姿を見せて帰国してほしい」と呼びかけた。
市によると、女性はテゾ・エルサレム・テメスゲンさん。25日朝、行方が分からなくなっていることが判明し、関係者が大阪府警交野署に捜索願を出した。同署が防犯カメラを確認したところ、25日午前5時半ごろ、1人で交野市内の宿泊施設を出る様子が写っていた。施設内には荷物が残されていたが、パスポートや財布、携帯電話はなかったという。
女性は18日、エチオピアの音楽グループ「ファンディカ」の一員として計10人で来日。20日には万博のステージに立ち、交野市内の交流事業にも参加した。
27日に帰国予定だったが、関西国際空港に姿を見せなかった。出国は確認できていない。市によると、3カ月間の在留資格があり、現時点では「不法滞在ではない」という。
インターネット上の掲示板に、大学の関係者を「殺す」などと書き込んだとして、警視庁板橋署は暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)の疑いで、福岡市南区井尻の無職、川崎豪容疑者(25)を逮捕した。「大学を退学になり、頭にきてやった」と、容疑を認めている。
逮捕容疑は4月1日、福岡県内でパソコンを使用し、インターネット上の匿名掲示板「5ちゃんねる」に「帝京大学の奴らを皆殺しにする」「学長を殺す」などと書き込んだとしている。
神奈川県警から警視庁に情報提供があり、同署が捜査。書き込みが行われた場所を特定して川崎容疑者の関与を突き止めたという。今年3月以降、同様の書き込みを繰り返していたとみられる。
京都市営バスの運転手に唾を吐きかけたとして、京都府警東山署は29日、公務執行妨害の疑いで、京都市東山区小松町の無職の男(61)を逮捕した。この直前、容疑者はバス車内に自転車の持ち込みを試み、トラブルとなっていた。「俺は知らない。唾は吐いていない」などと供述し、容疑を否認している。
逮捕容疑は29日午前10時ごろ、京都市東山区の歩道で市営バスの男性運転手(47)=同市西京区=に唾を吐きかける暴行を加えたとしている。
同署によると、容疑者はバス停から自転車を車内に持ち込もうとしたが、運転手に拒まれたため、大声を上げて抵抗。その後、現場から立ち去ろうとした容疑者をバス停の近くで呼び止めた運転手に対し、唾を吐きかけたという。
当時バスには約30人の乗客がいたが、代替のバスに乗り換えており、運行に大きな影響はなかった。
大阪・キタの繁華街で売春の客待ち行為をしたとして、大阪府警曽根崎署は30日、売春防止法違反(客待ち)容疑で大阪市中央区の無職の女(23)ら19~23歳の5人を逮捕したと発表した。
同署によると、いずれも容疑を認め、「ホストクラブの売り上げに貢献」「アイドルのライブ遠征費」「歯の矯正費用を稼ぐため」などと動機を供述している。声をかけてくる男性客を相手に、1回あたり1万5千~2万円を相場に売春を繰り返していたという。
5人はいずれも大阪市北区太融寺町のホテル街で、客待ち行為をしたとされる。この場所は近年、売春目的の客待ち行為「立ちんぼ」が問題化。同署や地域住民らが連携して対策に取り組み、昨年末には路面を黄色に塗装するなどした。
その後、客待ち行為は大幅に減少したが、6月以降、再び立ちんぼの姿が複数確認されたため、今回の摘発に踏み切った。同署は定着を防ぐため、今後もパトロールなどを継続するという。
ロシア主要メディアによると、極東カムチャツカ半島の東方沖で30日に起きた地震で、震源に近い半島の南東部では高さ3~4メートルの津波が観測された。千島列島では、パラムシル(幌筵)島の港湾施設や水産加工場が津波で水没し、シュムシュ(占守)島に滞在する歴史調査団のテント村が津波に流された。関係者は津波警報を受けて避難していたため、両島での人的被害は出ていないという。
半島の中心都市ペトロパブロフスクカムチャツキーの空港では地震で1人が頭部を負傷したほか、工事のため休園中だった幼稚園の壁面が崩落した。カムチャツカ地方のソロドフ知事は半島内で「重傷者は出ていない」と語った。国営テレビ「ロシア24」は、パラムシル島セベロクリリスクのアパート室内が地震で大きく揺れ、棚の物が激しく散乱する映像を放映した。
露科学アカデミーのカムチャツカ支部は、発生した地震がマグニチュード(M)8・7で、地震多発地帯の半島でも1952年以降で最大規模だったとしている。強い余震が頻発しており、当局は警戒を呼びかけている。
帰宅途中の男性のリックサックをひったくったとして、埼玉県警川口署は29日、窃盗の疑いで、いずれもトルコ国籍で川口市の16歳の少年と、さいたま市南区の15歳の少年を逮捕した。2人の認否などは明らかにしていない。
【画像】「地域住民の人権は無視ですか?」急拡散された地元女性が作成した画像
逮捕容疑は共謀して26日午前3時ごろ、川口市西川口の市道で、自転車で帰宅途中の男性会社員(27)の後ろから2人乗りのバイクで近づき、追い抜きざまに前かごの充電器などが入ったリュックサックをひったくったとしている。
犯行に使われたバイクは盗難届が出ているものだった。このほか26日未明に川口市、草加市、蕨市で計5件の同様の手口のひったくりが発生しており、県警は関連を調べている。
ドラッグストアで医薬品を万引したとして、兵庫県警南あわじ署は28日、窃盗容疑で同県南あわじ市職員の女(45)=同市=を逮捕した。署によると、容疑を認めているという。
逮捕容疑は、3月13日午後5時50分ごろ、兵庫県南あわじ市市善光寺のドラッグストアで、医薬品1箱(販売価格1880円)を盗んだとしている。
署などによると、店舗が4月中旬に在庫確認をした際、商品数が合わなかったことから発覚。その後、店舗は署に被害届を提出しており、防犯カメラの画像から女の犯行が確認されたという。女は市産業建設部に所属している。
事件を受け、同市の守本憲弘市長は「市民の皆さまにご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。厳正に対処し、綱紀引き締めに努めてまいります」とのコメントを発表した。
お好み焼き店で客の男女2人をバットで殴ったとして、大阪府警布施署は29日、殺人未遂容疑で大阪市生野区中川の会社員、森功太容疑者(51)と妻の奈生実容疑者(48)を逮捕した。同署は2人の認否を明らかにしていない。
逮捕容疑は共謀し、28日午後11時40分ごろ、大阪府東大阪市足代南のお好み焼き店で、男性(50)と女性(42)の頭部などをバットで複数回殴り、2人に軽傷を負わせたとしている。
同署によると、被害女性は奈生実容疑者の親族。付近の飲食店の店員が「バットを持った男が暴れている」と110番。両容疑者は事件後に車で立ち去ったが、被害者への聞き取りで関与が浮上したという。同署は何らかのトラブルがあったとみて調べを進めている。
【ニューヨーク=本間英士】米東部ニューヨーク市中心部マンハッタンのオフィス街にある高層ビルで28日、男がライフル銃を乱射し、ニューヨーク市警の警察官ら4人が死亡した。アダムズ市長は会見で、容疑者の男も高層ビル内で死亡したと明らかにした。自殺とみられ、市警が動機などを調べている。
市警や米メディアによると、容疑者は西部ラスベガス在住の27歳の男。高層ビルのロビーで警察官と銃撃戦を繰り広げた後、エレベーターで上層階に向かったという。市警は単独犯との見方を示している。
現場は日本の在ニューヨーク総領事館に近いパーク街の高層ビル。大手金融会社や米プロフットボールNFLの事務局などが入居している。
海外ブランドの類似商品を販売目的で所持していたとして、京都府警南署は29日、商標法違反の疑いで、京都市南区上鳥羽西浦町のアルバイトの女(45)を逮捕した。容疑を認めている。
逮捕容疑は6月16日、海外の高級ブランド「シャネル」や「ルイ・ヴィトン」の商品に酷似した財布やキーホルダーなど3点を、自宅で販売目的で所持したとしている。
同署によると4月16日、「ネットショッピングでブランド品が安価に販売されている」との情報提供があり、捜査していた。同署は容疑者の自宅から同様の高級ブランドの模造品を50点以上押収しており、経緯を捜査する。
東京都小金井市のスポーツクラブ「メガロス武蔵小金井」のプールで28日、意識不明で搬送された市内の小学1年の男子児童(6)が死亡していたことが29日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁小金井署は、監視態勢など当時の状況を調べている。
捜査関係者によると、男児は学童クラブの活動としてプールに訪れていたという。28日午前11時前にスポーツクラブの指導員がうつぶせで浮いている男児を見つけ、119番通報。男児は意識不明の状態で病院に搬送され、約11時間後に死亡が確認された。
当時は25メートルプールの2コースが使用され、子供ら十数人が遊泳していたという。水深は約120センチで、一部には水深を浅くするための約40センチの調整台が置かれていたが、男児がいた場所は調整台がなく、浮輪などもしていなかった。スポーツクラブの指導員1人がプール内で、学童のアルバイトの引率者1人がプールサイドで監視していたという。
芸能の神社として知られる京都市右京区の車折(くるまざき)神社が3月、生成AI(人工知能)で作られた女性キャラクターをX(旧ツイッター)のアイコンに採用したところ、誹謗中傷にさらされた。アイコンは、巫女(みこ)の服装をした女性キャラクターが桜の舞う中でポーズを取る構図。神社のXには「生成AIを擁護するのか」など批判が殺到し、即日アカウント削除に追い込まれたほか、脅迫容疑などでの逮捕者も出た。なぜここまでの炎上に発展したのか。
【写真】芸能の神社として知られる車折神社。生成AIでつくったキャラクターのアイコンを巡り、誹謗中傷が寄せられた
■擁護する態度に立腹
《信じた人への裏切りだ》《恥ずかしい》。3月、芸能の神をまつり、多くの芸能人も願掛けに訪れる車折神社のXが大いに荒れた。
その理由は、神社が生成AIによって作成されたキャラクターをXのアイコンに採用したこと。「生成AIを持ち上げるような行為をするのはどうなのか」との趣旨の多数の意見が寄せられた。
神社は即日アカウントを閉鎖したが、中傷は止まらず、何十通もの脅迫メールまで届いた。
中には看過できない内容もあった。《お前のクソ神社いつか原因不明の火事で全焼するぞ》。燃え盛る炎の画像が添付されており、神社側は警備や見回りの強化などを迫られた。
この脅迫メールに絡み京都府警は7月、脅迫と威力業務妨害の疑いで、滋賀県野洲市の無職の男(38)を逮捕した。
府警によると、男は容疑を認め、「神社の『生成AI絵師』を擁護するような態度に腹が立った」などと説明した。神社と男の間に明確な接点は確認できなかったという。
■生成AIへの危機感
男が名指しした「生成AI絵師」とは、AIを使ってイラストなどを作る人の呼称だ。近年は対話型AIが台頭。物事を学習したり膨大なデータから推測して判断したりできる技術を用い、キーワードを入力するだけで、短時間でイラストを制作することができる。 生産性向上が期待される一方、誤情報拡散や著作権侵害が懸念され、こうした技術に仕事が奪われるのではないかとの危機感を持つ人がいるのも事実だ。
誹謗中傷は連鎖した。神社への脅迫を巡って男の逮捕が報じられると、神社にアイコン画像を提供した生成AI絵師の男性のもとにも脅迫ともとれるメッセージが届くようになった。《現金300万持って家まで謝罪しに来い。さもないと殺す》。中には殺害をほのめかす内容もあり、危機感を覚えた男性はすぐさま警察に相談した。
解体工事中の商業施設から銅線を盗んだとして、警視庁捜査3課は建造物侵入と窃盗の疑いで、いずれもベトナム国籍で無職、東京都稲城市長沼のグエン・テ・キエン被告(25)=別の建造物侵入と窃盗の罪で起訴=を再逮捕し、住所不詳のグエン・シー・タイン容疑者(34)を逮捕した。キエン容疑者は「黙秘します」と供述し、タイン容疑者は容疑を否認している。
逮捕、再逮捕容疑は5月1日夕~2日朝、川崎市内の解体工事中の商業施設に侵入し、地下1階の電気室の床や天井などから銅線約2900キログラム(時価計約350万円相当)を盗んだとしている。
捜査3課によると、両容疑者は銅線窃盗を繰り返すベトナム人グループの実行役とみられ、運搬役など複数人が現場を訪れていたという。事件後、グループはほかで盗んだとみられるものも含めた銅線約6700キログラムを神奈川県内の買い取り業者に売却していた。
捜査3課は、グループが関東を中心に6都県で約50件の銅線窃盗に関与したとみて調べている。
東京都渋谷区の商業ビルのシャッターにスプレーで落書きをしたとして、警視庁は建造物損壊の疑いで、東京都東大和市の建設作業員の男(18)を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。「街中にストリートアートを描くのがかっこいいと思った。自分のタグ(サインのようなもの)を描いた」と容疑を認めている。
街中の壁面などに落書きする行為は「グラフィティ」として若者らの一種の自己表現の形になっているとみられ、被害が多い渋谷区は、落書きの消去を支援する事業を行うなど、対策を進めている。捜査関係者は「落書きは被害額が大きく、重い犯罪だと認識してほしい」としている。
捜査関係者によると、男は5月31日午前4時ごろ、渋谷区千駄ケ谷の商業ビル1階のシャッターに白色のスプレーで落書きして、シャッターを損壊した疑いが持たれている。被害額は約23万円。「数カ月前からいくつか描いていた」と話しており、防犯カメラに落書きをする映像が写っていたことから、関与が浮上した。
高級腕時計ロレックス社と類似した商標がついたスプーンを加工して指輪を製造・販売したなどとして、京都府警下京署は28日、不正競争防止法違反の疑いで、京都市東山区下梅屋町の自営業の男(30)を逮捕した。容疑を認めている。
逮捕容疑は、ロレックス社と類似した商標がついたスプーンを加工して指輪を製造し、昨年5月、茨城県つくば市の30代男性に1個2万7800円で販売したなどとしている。
同署によると、容疑者はロレックスの腕時計に付属するノベルティーのスプーンを加工して指輪を製造し、その過程や購入者の反応などを交流サイト(SNS)で投稿していた。容疑者は昨年5月ごろから同様の商品の製造・販売を繰り返し、少なくとも約58万円を売り上げていたとみられる。
岩手県は28日、農林推断部主査の30代の男性職員が自転車の酒気帯び運転で検挙されたと発表した。県職員が自転車の酒気帯び運転で検挙されるのはこれが初めてとしている。
発表によると、30代の男性職員は今月25日午後9時から11時半にかけて盛岡市内の飲食店で飲酒、帰宅のため自転車に乗っていた26日零時10分ごろ、警察官に呼び止められ、呼気検査で基準以上のアルコールが検出されたという。
初めてのケースで県は具体的な処分内容を決めていない。自動車による酒気帯び運転は懲戒免職が原則だが、他県の例では自転車による懲戒免職まで重い処分にはなっておらず、今後検討するとしている。
東京・神保町の古書店で書籍を盗んだとして、警視庁神田署は窃盗の疑いで、東京都調布市菊野台の職業不詳、松谷洋一容疑者(43)を逮捕した。盗まれたのは芥川龍之介の短編小説「煙草と悪魔」で、1万円で販売されていた。容疑を認め、同様の窃盗を「10件以上はやった」と話しているという。
同署によると、容疑者は7月上旬ごろから神保町の複数の古書店で本を盗み、他店に売却する行為を繰り返していたとみられる。中国の古書など高値で売れるものを選んでおり、ほかに15冊計112万円の被害が確認されている。転売で得たカネは生活費やパチンコ代に充てていたという。
逮捕容疑は22日午後0時40分ごろ、神保町の書店で「煙草と悪魔」をエコバッグに入れ、持ち去ったとしている。本は見つかっておらず、神田署が売却先などを調べている。
警戒していた店員が容疑者の行動を不審に思い、店を出たところで呼び止めてカバンの中を見せるよう促すと、容疑者は拒否しタクシーに乗り逃走。店から通報を受けた同署が捜査し、タクシーのドライブレコーダーの映像などから容疑者を特定した。
京都府警東山署は28日、京都市東山区の団体職員の男性(67)が警察官や検察官を名乗る男らから現金約7620万円をだまし取られる事件があったと発表した。
東山署によると6月9日、男性宅にNTTをかたる自動音声による電話があり、ガイダンスに従ったところLINEに誘導された。その後、警視庁の警察官などを名乗る男らから「あなたの口座に入金されている現金は犯罪収益の可能性がある。調査の必要がある」などと告げられた。警察官らの名刺を画像で示された男性はこれを信じ、7月22日まで現金計7620万200円を指定された口座に振り込んだ。
詐欺への注意を呼び掛ける京都府警のチラシを見た男性が家族に相談し、翌23日に東山署に申告した。
特殊詐欺に使われ凍結された口座から不正に現金を引き出したとして、警視庁犯罪収益対策課は、詐欺と公正証書原本不実記載・同行使の疑いで、コンサルティング会社「スタッシュキャッシュ」(東京都渋谷区)の実質的経営者、林竹千代容疑者(61)=横浜市神奈川区=ら男3人を逮捕した。犯収課は認否を明らかにしていない。
ほかに逮捕したのは、スタッシュ社代表の井上達雄容疑者(73)=東京都杉並区=と、システム関連会社「Recrutas(リクルタス)」(東京都台東区)元代表の中国籍、李小暢容疑者(37)。
逮捕容疑は令和6年8月、共謀の上、スタッシュ社が、リクルタス社に貸し付けたとする虚偽の公正証書を公証人に作成させた上、凍結されていたリクルタス社名義の口座を差し押さえる強制執行を裁判所に申し立てて、約610万円を詐取したとしている。
振り込め詐欺救済法に基づき、特殊詐欺などに悪用されたと判明した銀行口座は凍結される。犯収課によると、リクルタス名義の口座は投資詐欺などの被害金が振り込まれていたとして、6年3月に凍結されていた。
犯収課は林容疑者らが同様の手口で凍結口座からの強制執行を繰り返し、手数料名目で利益を得ていたとみており、詳しい資金の流れを調べている。
東京都八王子市のスーパー「ナンペイ大和田店」で平成7年7月、アルバイトの女子高校生ら3人が射殺された強盗殺人事件は、未解決のまま30日に発生から30年を迎える。被害者の1人、矢吹恵さん=当時(17)=が通っていた桜美林中学・高校(町田市)では26日、同級生らによる追悼礼拝が行われた。
桜美林中学・高校では毎年、事件の起きた時期に合わせて同級生や教員らが集まり、追悼礼拝を開いている。
今年も同級生ら約30人が集まり、黙祷(もくとう)をささげたほか、賛美歌を歌った。前方の卓上には、矢吹さんの写真と、同級生らが矢吹さんの明るい人柄をイメージして選んだ花だというひまわりが飾られた。
矢吹さんの中学・高校の同級生だった会社員、鷹野めぐみさん(47)は、事件が未解決のまま30年という月日が経過することについて「悔しいというより、辛い気持ちが強い」と胸の内を吐露した。
当時を思い返し、「夏休みには遊ぶ約束をしていたのに。犯人には、なぜこんなことをしたのか聞きたい」と涙ながらに語った。
事件は平成7年7月30日午後9時15分ごろ、閉店直後のスーパー2階事務所で発生。矢吹さんとアルバイトの前田寛美さん=当時(16)、パートの稲垣則子さん=同(47)=が犠牲になった。事務所内の金庫に売上金約500万円が残されていた。22年に殺人事件の公訴時効は撤廃され、現在も捜査は続く。
情報提供は警視庁八王子署捜査本部(042・621・0110)まで。(堀川玲)
蒸し暑い季節-。多くの人にとって、それは不快に感じるものかもしれませんが、ビール好きの人にとっては少しうれしい季節かもしれません。仕事や運動を終えてから喉にグッと流し込む冷えたビールを格別の味と感じる人もいるでしょう。ただし、お酒好きの人は注意点も把握しておきましょう。
高血圧で通院している50代後半の男性患者さんが健康診断の結果をうれしそうに見せてくれました。さっそく確認すると、それまでは悪かった肝臓の検査の数値が正常になっていました。「実は毎日1・5リットルほど飲んでいたビールを半年ほど前からノンアルコールビールに切り替えたのですよ」と教えてくれました。定期的にウオーキングも始めたそうです。
ノンアルコールビールの製法などの改良は進み、同時に健康への影響力についても研究されています。ノンアルコールビールの摂取は、ビールと比べて、動脈硬化につながる恐れのある体内の酸化や炎症を減らす可能性があると複数の研究が報告しています。
これはポリフェノールに代表される抗酸化物質などの効果とも考えられています。ビールにも、その作用がないわけではありません。ただしビールに含まれるアルコール(エタノール)が酸化を促す物質なので、ポリフェノールなどの効果を打ち消してしまう恐れがあります。
ビールも適量を摂取すると、腸内細菌に良い影響を及ぼすという研究結果も報告されています。この効果も、ポリフェノールなどアルコール以外の物質のためと考えられます。それなら「ビールでよいのではないか」と思うかもしれませんが、アルコール摂取量が増えるほど肝障害や大腸がん、食道がんなどの危険性は高くなります。過度のアルコールの摂取は控えるべきでしょう。
ノンアルコールビールにも注意すべき点はあります。ノンアルコールビールが呼び水となり、その後の大量の飲酒につながる可能性があるからです。
実際、ノンアルコールビールを消費している人の多くは、アルコール摂取量も多いという報告もあります。ノンアルコールビールを飲んでいるからといって安心するのではなく、それを飲むことによってアルコール摂取量がどのように変化したのかを確認しておくとよいでしょう。蒸し暑い夏に飲酒量を見直してみませんか。(しもじま内科クリニック院長 下島和弥)
人気アニメ「鬼滅の刃」の公式サイトとX(旧ツイッター)は25日、現在公開中の映画「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座(あかざ)再来」を巡り、映画館で作品の盗撮を行わないよう、呼びかけを行った。悪質な場合は刑事告訴も行うとしている。
盗撮映像がXなどのSNSやユーチューブなどに出回ったことを確認したためで、サイトでは盗撮行為は映画盗撮防止法や著作権法違反にあたり、10年以下の懲役や1000万円以下の罰金などが科されると注意喚起。
また、「刑事告訴を含む厳正な対処をする」とし、匿名投稿であっても特定可能だと警告した。日本語以外に英語、中国語(繁体字と簡体字)で記載されている。
18日から全国公開されている「第一章 猗窩座再来」は、主人公の竈門(かまど)炭治郎たちが所属する「鬼殺隊」と鬼との最終決戦を描く劇場版「無限城編」3部作の始まり。鬼の根城である無限城で、宿敵の猗窩座らに挑む。
取引先の男性を約3カ月間監禁し重傷を負わせたとして男ら7人が逮捕された事件で、警視庁捜査1課は26日、逮捕監禁致傷の疑いで、会社員の上野優容疑者(21)=東京都練馬区=と自営業の川村理容疑者(50)=杉並区=を新たに逮捕した。上野容疑者は「言葉になりません」、川村容疑者は「よく知りません」と話している。
【写真】事件を首謀したとして逮捕された大城優斗容疑者
捜査1課によると、上野容疑者は事件を首謀したとして同容疑で逮捕された建設会社代表、大城優斗容疑者(24)の地元の後輩。監視役とみられる。
大城容疑者は被害男性の勤務先から受注した内装工事の報酬の支払いを巡ってトラブルになっていた。監禁中に男性に約200万円を支払わせていた。捜査1課は他にも犯行に関与した人物がいるとみて、捜査を進めている。
逮捕容疑は、共謀して1月29日午前1時ごろ、豊島区の30代男性を車で拉致。約3カ月にわたり、東京都内のホテルなどに監禁し、金づちでたたいたり、熱湯をかけたりして、全身骨折ややけどなどのけがをさせたとしている。
群馬県桐生市の新庁舎建設工事を巡る入札妨害事件で加重収賄などの容疑で同市の前副市長、森山享大(たかひろ)容疑者(52)が24日、逮捕されたことに山本一太知事は同日、「この3年で官製談合をめぐる副市長の逮捕は3人目。異常事態というしかない」と語った。定例記者会見で質問に答えた。
【写真】記者会見する群馬県桐生市の荒木恵司市長
森山容疑者は事件発覚後、副市長として新庁舎の入札事務を監督する立場だったことから埼玉、群馬両県警合同捜査本部の聴取を受け、今月4日、市に辞表を提出していた。逮捕容疑は副市長時代の令和2年8~12月、入札に参加した特定の共同企業体(JV)側に秘密事項を漏らし、JV側から10万円分の商品券を受け取ったとしている。
山本知事は「逮捕は時間の問題と思っていたが、副市長がこんな形で逮捕されるのは異常。古い利権構造が残っているということ。落胆せざるを得ない」。
県内では3年前に前橋市で、今年5月には藤岡市で副市長が逮捕された。6月に今回の事件で群馬県議の相沢崇文容疑者が逮捕され、あっせん収賄容疑などで24日に再逮捕された。
山本知事は「県民は本当に怒っているし、参院選にも影響した。政治がしっかり対応し古い構造を払拭していかないと、将来に大きな禍根を残す」と語った。
タイ、カンボジア軍が24日、国境地帯の領有権を巡り衝突した。タイ軍は戦闘機でカンボジア領内を空爆した。タイ政府はカンボジア軍の攻撃で子供1人を含む市民11人と兵士1人が死亡し、市民24人と軍人7人が負傷したと発表した。両国が互いに相手を非難し、緊張が高まっている。
ロイター通信によると、タイ軍は、F16戦闘機による空爆でカンボジア軍の標的を破壊したと明らかにした。両国の国境を封鎖したとしている。カンボジア国防省は爆弾2発が路上に投下されたとしてタイ側を非難した。
国境線を巡り対立する両国の間では、しばしば衝突が発生している。今年5月下旬に起きた銃撃戦でカンボジア兵1人が死亡し、緊張が高まっていた。
タイ側は今月に入り、国境付近で地雷によりタイ兵らが負傷したなどとしてカンボジアを非難し、23日に駐カンボジア大使を本国に召還したばかりだった。
タイ軍の説明では、タイ軍基地のほか、病院などの民間施設がカンボジア軍の激しい砲撃を受けたという。また、カンボジア軍が偵察用無人機を飛ばし、国境付近に部隊を派遣。その際、タイ兵2人が発砲を受け、負傷したとしている。
カンボジア側は、いわれのない侵攻を受けたため自衛のために攻撃したと主張している。
両国の5月以降の対立に関しては、タイのタクシン元首相の次女、ペートンタン首相が6月15日、カンボジアの実力者で前首相のフン・セン上院議長と電話会談。その音声が流出し、ペートンタン氏がタイ軍高官を批判する発言が含まれていたため、タイ国内で同氏への反発が強まった。
タイの主要政党が連立政権から離脱し、大規模な反政府抗議集会が開かれた末に、発言は倫理規定に反しているなどとする上院議員らの訴えを受けた憲法裁判所が7月1日、ペートンタン氏の首相職務を停止した。
今後は憲法裁がペートンタン氏を解職する可能性もあり、タイ政治は大きく混乱している。(岩田智雄)
勤務先の家電量販店から中古スマートフォンを盗んだとして、警視庁渋谷署が、窃盗の疑いで、ヤマダデンキ元社員の中田誠容疑者(47)=神奈川県綾瀬市=を逮捕していたことが25日、捜査関係者への取材でわかった。「生活費が足りず、商品を盗み転売した」と容疑を認めている。
捜査関係者によると、中田容疑者は昨年10月~今年4月、勤務先の「ヤマダデンキ LABI渋谷」(東京都渋谷区)で、中古のiPhone(アイフォーン)(販売価格計約550万円)を盗んだとしている。全て都内の買い取り店に約400万円で売却したという。
4月に在庫データと実際にあるスマホの台数が合わないことを不審に思った店舗側が渋谷署に相談して発覚。中田容疑者は6月に自主退職した。
大阪府摂津市ので24日午前に発生した大型トラックによる死亡ひき逃げ事件で、大阪府警摂津署は同日夜、自動車運転処罰法違反(過失運転致死)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、同府大東市新田東本町のトラック運転手、板屋義一容疑者(61)を逮捕した。
逮捕容疑は同日午前10時15分ごろ、摂津市鳥飼上の交差点で、横断歩道を渡っていた近くに住む無職、田村要造さん(87)をはね、そのまま逃走したとしている。「事故を起こしたことに気づかなかった」と容疑を否認している。
同署によると、田村さんはトラックに約240メートル引きずられ、路上に倒れていた。事故現場付近の防犯カメラから車両を特定した。
路上で男性に暴行を加えて現金やバッグを奪ったとして、警視庁田無署は強盗致傷の疑いで、いずれも西東京市の男子高校生(15)と無職少年(16)を逮捕した。2人は「お金が欲しくてやった」と容疑を認めている。
逮捕容疑は3日午後11時25分ごろ、東京都西東京市下保谷の路上で、帰宅途中の60代男性に「お金ちょうだい」などと言ってバッグを引っ張って引き倒し、顔を足で蹴るなどの暴行を加えて現金約3万4000円が入った財布やバッグを奪ったとしている。
同署によると、男性からの110番通報で事件が発覚。防犯カメラの捜査で関与が浮上した。2人は同じ小中学校に通った友人だという。
臨場した火災現場で現金を盗んでいたとして、警視庁は25日、捜査1課の警部、政野亮二被告(51)=窃盗罪で起訴=を懲戒免職処分とした。被告は長年、火災の出火原因調査を担当し、同庁の「技能指導官」にも指定されていた。
警視庁は「他の模範となるべき立場である職員による言語道断の行為であり、厳正に処分した。被害者の方に深くおわびするとともに指導教養を徹底し、再発防止に努める」と説明。管理監督者として、当時の上司3人にも口頭で注意した。
被告は令和4年10月、東京都渋谷区の火災現場で現金約300万円を盗んだなどとして、今年5月に逮捕された。4年10月~7年2月、同様の窃盗を8件繰り返し、計約900万円を盗んだとされる。このうち3件について、窃盗罪で起訴された。
今年1月、警視庁に匿名の通報があり発覚。火災現場の住宅はいずれも1人暮らしで、被害者は亡くなっていた。
女性に性的暴行を加えてけがをさせたとして、警視庁新宿署は、不同意性交致傷の疑いで、東京・歌舞伎町のホストクラブ「アンセム」のホスト、竹本光甫容疑者(27)=新宿区上落合=を逮捕した。「無理やりしたわけではない」と容疑を否認している。
【写真】大久保公園周辺で客待ちをしているとみられる女性ら
逮捕容疑は5月16日午前7~11時ごろ、新宿区内のホテルでホストクラブの客だった20代女性に「服を脱ぐか、腕を折られるかどっちがいい」と脅し、首を絞めるなどの暴行を加えた上でわいせつな行為をし、首や腰に全治2週間のけがを負わせたとしている。
新宿署によると、女性は15日の夜に初めて店を訪れて竹本容疑者と知り合った。翌16日未明に複数人でバーで飲食をした後にホテルに向かったとみられる。竹本容疑者が立ち去った後に、女性から助けを求められたホテルの従業員が110番通報し、防犯カメラの画像などから竹本容疑者の関与が浮上した。
「ルフィ」を名乗る指示役らが関与したとされる一連の広域強盗事件で、強盗致傷幇助(ほうじょ)罪などに問われ、23日に東京地裁で懲役20年の判決を受けた小島智信被告(47)。法廷では、フィリピンを拠点に特殊詐欺や強盗を繰り返したルフィグループの内実について自ら口を開いた。明らかになったのは、幹部の関係や高度な組織性、日本語学校設立など、継続的に犯行を行うための計画の数々だった。
【写真】ルフィグループにより腕時計が強奪された店舗
■高度な組織性
《就業時間 月~金 午前8時~午後5時 7時45分までにはいるように》。就業規則のようなこの一節は、公判で提出された特殊詐欺のかけ子用マニュアルに書かれていたものだ。小島被告も組織をたびたび「会社」と表現。高い組織性が浮かぶ。
小島被告は借金を抱え、平成30年夏にフィリピンに渡航した。肩代わりした渡辺優樹被告(41)=強盗致死罪などで起訴=を「ボス」と忠誠を誓い、組織の庶務などを担った。
組織は「箱」と呼ぶ複数のかけ子グループを傘下に抱え、30年12月には今村磨人(きよと)被告(41)=同=が管理する「K箱」を設立。藤田聖也(としや)被告(41)=同=は令和元年9月ごろ加わって受け子の勧誘を担うなど、強盗事件で指示役となる人物がそろった。
■拠点の偽装に
小島被告によると、組織が拡大する中で、渡辺被告にはフィリピンに日本語学校を設立する計画もあったという。日本人が集まっても不自然ではない上、フィリピンでの就労ビザが得られる可能性もあり、拠点の偽装には最適と思われた。校名は「うさぎ日本語学校」。渡辺被告が「詐欺」の入ったその名称にこだわったという。
計画は関係者が逮捕され頓挫する。令和元年8月ごろ、組織は廃ホテルを購入して拠点にしたが11月、現地当局に摘発される。幹部4人は散り散りに逃走し、3年4月までに全員が現地入管施設に収容され、再会する。
■賄賂渡しスマホ使用
収容所では、職員に賄賂を渡せばスマートフォンを使うことができたほか、「VIPルーム」と呼ばれるエアコン付き個室に入る権利を売買できた。被告らは脱出のため、担当者に渡す賄賂などの資金を必要としていた。そこで始まったのが一連の強盗事件だった。
検察側によると、今村被告が「ルフィ」などと名乗り、4年3月ごろから独自に日本国内へ向けて強盗を指示。そこに渡辺、藤田両被告が加わったという。小島被告は今村被告とは仲違いしていた
群馬県教委は23日、生徒から集金した現金約18万円を流用した講師や女子生徒への性暴力を行った男性教諭、校内の性暴力事案への適切な対応をとらなかった中学校長ら4人に対し、免職や停職などの懲戒処分を行ったと発表した。いずれも23日付。
現金流用は今年3月、館林商工の真藤寛徳講師(33)が生徒12人から集金した第二種電気工事士試験の受験料11万1600円を家賃や生活費に使い込んでいた。生徒の相談で発覚し、その後、顧問を務めるバレーボール部の部員2人から預かったジャージ代7万円も流用していたことが分かった。いずれも返金している。処分は免職。
中毛地域の県立高校の50代男性教諭が昨年10月から今年1月にかけ、校内での部活動の前後に女生徒の頭を引き寄せてなでたり、両手で抱きとめるような行為を行ったとしている。生徒が部活の副顧問に相談して発覚した。処分は免職。
東毛地域の公立小に臨時任用教職員として勤務する女性教諭(62)が今年4月1日、近所のスーパーのセルフレジで精算する際に、バーコードのないイチゴやハンバーグなどの個数を偽って入力し、窃盗を行った。停職1カ月。
東毛地域の公立中学で今年1月、男性補助教員が女生徒の胸を触ったりキスをしたりした事案が発生した際、校長が「こども性暴力防止法」への認識がなく、警察への連絡を怠るなど適切な対応をとらなかった。指導監督不適正を問い、戒告処分とした。県教委はこの件で管理監督の立場にある学校人事課長と教育次長を、それぞれ厳重注意と注意処分とした。
教職員による性暴力などの事案が続いており、平田郁美教育長は「児童生徒や保護者、県民の信頼を裏切ることになり、誠に申し訳ありません」と陳謝した。
運営を実質的に任されていたネットオークションサイトの運営資金などを横領したとして、警視庁目黒署は、業務上横領の疑いで、ネットオークションサイト運営会社の元社員、尾川祐樹容疑者(37)=東京都港区=を逮捕した。
同署によると、「業務量に見合う給料をもらえていなかった」などと話し、容疑を認めているという。
尾川容疑者は同社の社員だったが、会社の経理などを任され、口座を管理していた。会社の運営資金などをネットバンキングで自身の口座に送金していたという。
使用した経費の支払いが滞ったため、親会社が調査したところ不正が発覚した。会社側は、尾川容疑者が、令和3年3月から5年6月ごろにかけて1千万円超を横領したとして警視庁に告訴しており、同署で調べている。
逮捕容疑は、3年3月ごろ、同社の口座から約380万円を引き出して横領したとしている。生活費に充てていたとみられる。
大阪府警のずさんな捜査によってリベンジポルノ防止法違反容疑などで2度誤認逮捕され、42日間にわたって身体拘束されて違法な取り調べを受けたとして、20代男性が国や大阪府などに対し、慰謝料など計約1900万円の損害賠償を求める訴訟を24日、大阪地裁に起こした。
訴状によると、原告は令和5年4月12日、交流サイト(SNS)で元交際女性を脅迫したとして府警守口署に逮捕された。女性が「過去の交際相手は原告のみで、犯人は原告しか思い当たらない」と被害申告したためだった。原告は5月2日に再逮捕され、23日に釈放されるまで勾留された。
しかし、その後の裏付け捜査で、女性と交際を解消したばかりの別の男が脅迫していたことが判明し、府警は原告に謝罪。脅迫容疑などで逮捕された男は6年2月、大阪地裁で懲役3年、執行猶予4年の有罪判決を受け、確定した。
原告は、府警が脅迫メッセージの発信元の特定を怠ったまま原告を逮捕し、取り調べでは「9割お前が犯人。状況からもお前しかいない」として自白を迫ったと主張。検察官からも同様に原告が犯人だと決めるつける発言をされ、強い精神的苦痛を受けたとしている。
原告は被害申告をした女性と有罪判決を受けた男に対しても賠償を求めており、「裁判で誤認逮捕に至った経緯を明らかにし、ずさんな捜査による誤認逮捕が二度と起きないようにしてほしい」と訴えている。
府警は「近く訴訟が予定されているとの報道に接しており、お答えは差し控える」としている。
東京・歌舞伎町の大久保公園周辺で売春目的の客待ちをしたとして、警視庁保安課は売春防止法違反の疑いで、東京都新宿区西新宿の無職、青柳美結容疑者(20)ら女4人を逮捕した。いずれも容疑を認めている。
【写真】女性が並ぶ「立ちんぼ公園」と呼ばれる大久保公園前。全体的に若く、ルックスもいい
大久保公園周辺では売春の客待ちが問題となり、最近では買春のため、付近を訪れる訪日客(インバウンド)も増加していた。青柳容疑者らはグループチャットなどで警察の取り締まり情報を共有。男性の私服警察官による摘発を逃れるため、主に外国人の男性を相手に売春していた者もいたという。
4人を巡っては昨年10月以降、「女性とホテルに入ったら財布がなくなった」といったトラブルの110番通報が40件以上寄せられていた。売春で得た金はホストクラブや生活費、ギャンブルに使っていたという。
逮捕容疑は今年5~6月、大久保公園周辺で立つなどし、売春の客待ちをしたとしている。
■摘発、前年同期の2倍以上「ホスト目的」
東京・歌舞伎町の大久保公園周辺について、警視庁保安課は今年1~6月の半年間で、売春防止法違反容疑で女性75人を摘発したと明らかにした。前年同期の摘発人数は35人で、2倍以上となった。
保安課によると、売春の目的では「ホストクラブなど」が31人で全体の4割と最も多く、前年同期の11人(全体の3割)から増加。31人の内訳はホストクラブ17人▽メンズ地下アイドル10人▽メンズコンセプトカフェ2人▽ボーイズバー2人。
また、年齢別では10代が増えており、前年同期は1人だったが、今年は9人だった。最年少は17歳で、大学生などの学生も6人と前年同期(1人)より増加した。
保安課によると、摘発した75人とは面談を実施し、希望に応じて11人を自治体の福祉事務所などに引き継いだ。
スーツケースに入れた覚醒剤約5キロ(末端価格約2億8千万円相当)を密輸入したとして、大阪府警関西空港署は24日、覚醒剤取締法違反(営利目的共同輸入)の疑いでタンザニア国籍で自称整備士のムリショ・ラシッド・スーディ容疑者(54)を逮捕したと発表した。「覚醒剤が入っていることは知らなかった」と容疑を否認している。
逮捕容疑は、6月23日、アラブ首長国連邦(UAE)から関西国際空港(関空)に到着した際、スーツケース内に覚醒剤を隠し、密輸したとしている。
同署によると、関空到着後、機内への預託荷物だったスーツケースを大阪税関が検査。スーツケースの収納ケースなどにカーボン紙の包みが6つあり、中から結晶状の覚醒剤が見つかったという。
京都府警宮津署が押収し、同署の敷地内で保管していた車からバッグなどを盗んだとして、京都府警は24日、建造物侵入と窃盗の疑いで、ベトナム国籍で兵庫県朝来市和田山町和田山のアルバイト、ファム・ヴァン・クアン容疑者(26)を逮捕した。「在留カードなどをどうしても取り返す必要があった」と供述し、容疑を認めている。
【ひと目でわかる】外国籍の万引 摘発件数トップはベトナム人、2番目に多いのは
逮捕容疑は6月22日夜、フェンスを乗り越えて宮津署の庭に侵入し、車庫で保管されていた軽乗用車からボストンバッグやたばこなど3点を盗んだとしている。
府警によると6月21日、宮津市の天橋立にある車両進入禁止エリアに止まっていた車を宮津署員が見つけ、翌22日に道路運送車両法違反などの容疑で押収した。同日夜に何者かが署の敷地内に侵入し逃げたことが判明。車内を調べたところ、バッグなどがなくなっていた。車は無施錠だったという。
府警は今月14日、この車を無免許、無車検で運転したとする道交法違反などの容疑で容疑者を逮捕し、署敷地内への侵入・窃盗事件との関連を捜査していた。
車の保管体制などについて府警は「適切だったかどうかを今後調査する」としている。
高級腕時計の売買取引中だった男性2人を襲い、3千万円相当の時計を奪ったとして、大阪府警捜査1課は24日、強盗傷害の疑いで、建設作業員、柳田佑人容疑者(25)=兵庫県尼崎市富松町=と知人の職業不詳、森田愛斗(まなと)容疑者(22)=同市蓬川荘園=を逮捕した。府警は2人の認否を明らかにしていない。
逮捕容疑は共謀し、7月15日夜、大阪市福島区福島の路上で、停車中の車内で取引中だった時計商の男性2人の顔に催涙スプレーのようなものを噴射して重軽傷を負わせ、腕時計1個(3千万円相当)を奪ったとしている。
同課によると、柳田容疑者は過去に被害男性と仕事をしていた経歴があり、この日に腕時計の取引が行われるのを知っていたという。
府警は、盗品の腕時計を巡り、盗品等処分あっせん容疑で、森田容疑者の兄で会社員、森田憂斗容疑者(24)=大阪市東淀川区下新庄=も逮捕。ほかにも事件に関与した人物がいるとみて調べを進めている。
奈良県は22日、同僚女性のスカート内を盗撮しようとしたとして性的姿態撮影処罰法違反(撮影未遂)の疑いで逮捕された主査の男性職員(41)を停職3カ月の懲戒処分にした。
県などによると、主査は4月17日、県庁内で机の下に小型カメラを設置し、同僚女性のスカート内を撮影しようとしたなどとしている。
また県は22日、別の主査の男性職員(62)を減給10分の1(2カ月)の懲戒処分にした。主査は3月25日、職場内の階段で道を譲らなかった職員に腹を立て、その職員の腹部をけり上げたという。
路上を通行中の女性にわいせつな行為をしたなどとして、警視庁光が丘署は、不同意わいせつと東京都迷惑防止条例違反の疑いで、東京都練馬区旭町の会社員、本田優人容疑者(25)を逮捕した。
逮捕容疑は4月、東京都練馬区の路上で女子高校生に「お金をあげるから(自身のわいせつな行為を)見てくれませんか」と話しかけて腕をつかみ、自分の体を触らせるなどしたとしている。
同署によると、本田容疑者は車で移動しながら好みの女性を探し、待ち伏せして声をかけていたという。「見せる欲求を抑えられなかったが、自分の体を触らせることはしていない」と容疑を一部否認している。
警視庁への届け出などで事件が発覚。防犯カメラの捜査により本田容疑者の関与が浮上した。
兵庫県議会の自民党県議団は、斎藤元彦知事の疑惑告発者の私的情報漏洩(ろうえい)問題を受けた斎藤氏の給与カットに関する条例改正案について、継続審議とするかの採決を諮る際に退席した内藤兵衛県議と太田康文県議を謹慎処分とした。県議団が今月22日に開いた総会で決定した。期間は来年3月31日までで、期間中は総会や勉強会など会派の行事への参加ができない。
斎藤氏の給与カットに関する条例改正案を巡っては、6月定例会最終日の先月12日、継続審議とすることが賛成多数で決定していたが、内藤氏と太田氏は採決時に退席。今月22日に開かれた議員団総会で、謹慎処分とすることを決めた。
林芳正官房長官は23日の記者会見で、反捕鯨団体「シー・シェパード」創設者ポール・ワトソン容疑者の国際手配解除に関し「捜査機関から逃亡を続ける人物の国際手配が解除されたのは極めて遺憾だ」と述べた。その上で「わが国の容疑者に対する逮捕状は引き続き有効だ。日本政府として、関係国に容疑者の身柄の拘束、引き渡しを求めていく方針に変わりはない」と強調した。
ワトソン容疑者は日本の調査捕鯨を妨
害したとして、傷害などの容疑で日本の要請に基づき国際刑事警察機構(ICPO)に国際手配されていた。
ICPOは22日、国際手配を解除したとフランスメディアが伝えた。ICPOは「事件の事実関係についての判断ではなく、デンマークが日本への身柄引き渡しを拒否したとの新たな事実を踏まえて決定した」としている。
「ルフィ」などと名乗る指示役が起こしたとされる広域強盗事件で、実行役を勧誘したなどとして強盗致傷幇助(ほうじょ)罪に問われている小島智信被告(47)の裁判員裁判の判決公判が23日、東京地裁で開かれ、板津正道裁判長は懲役20年(求刑懲役23年)を言い渡した。
検察側によると、小島被告は借金返済のため、平成30年夏にフィリピンに渡航し、渡辺優樹被告(41)=強盗致死罪などで起訴=が率いる特殊詐欺組織に加入。その後、組織が強盗事件も起こすようになり、被告は実行役を勧誘する役割を担ったとされる。
被告は1日の初公判で起訴内容を認めた。検察側は15日の論告求刑公判で、「(被告は)指示役に近い立場だった」として懲役23年を求刑。弁護側は「関与は限定的」などとして、懲役11年が相当と主張していた。
起訴状によると、平成31年4月~令和元年11月、10件の特殊詐欺事件に関与したほか、4年10~12月、東京都中野区の強盗致傷事件など3件の強盗事件で実行役を勧誘したとしている。
ロイター通信は20日、パレスチナ自治区ガザ北部で国連の支援物資を待つ人々にイスラエル軍が発砲し、少なくとも67人が死亡したと伝えた。ガザ保健当局の情報だとしている。イスラエル軍の空爆や発砲による20日の死者はガザ全体で90人にのぼった。イスラエル軍はガザ北部での発砲について、群衆による「差し迫った脅威」を除去するために警告射撃を行ったと説明し、死者数には疑義があると主張した。
ガザでは飢餓が深刻化しており、連日、支援物資を求めて押し寄せる人々が発砲で死傷している。英BBC(電子版)によると、19日にもガザ南部にある2カ所の物資配給所近くでイスラエル軍が発砲し、少なくとも32人が死亡した。ガザ保健当局は20日、直近24時間での餓死者は18人だと明らかにした。
一方、イスラエル軍は20日、ガザ中部デイルアルバラの住民に避難命令を出した。軍は「敵の能力とテロリストのインフラを破壊するために作戦を続ける」と説明しており、デイルアルバラで大規模な軍事作戦を行う可能性がある。ガザの停戦に向けた交渉が仲介国カタールの首都ドーハで続いているが、大きな進展の兆候はない。(中東支局)
SMBC日興証券の相場操縦事件で、株価を安定させるために不正な株の買い付けをしたとして、金融商品取引法違反(相場操縦)罪に問われた同社元エクイティ部部長、山田誠被告(48)ら元幹部5人に対し、東京地裁は22日、有罪判決を言い渡した。
ほかに有罪判決を受けたのは、元副社長執行役員、佐藤俊弘被告(63)、元エクイティ本部本部長、ヒル・トレボー・アロン被告(54)、元副本部長、アバキャンツ・アレクサンドル被告(47)、営業部門の元部長、岡崎真一郎被告(59)。
起訴状によると令和元年12月~3年4月、通常の取引時間外に大株主からまとまった株を買い取り、投資家に転売する「ブロックオファー」取引を巡り、計10銘柄の株価を安定させるために大量の買い注文を入れるなどしたとしている。5人は公判で、いずれも無罪を主張していた。
事件を巡っては、法人としての同社と元幹部が被告になった公判が先行して行われ、東京地裁は5年、元幹部と山田被告らとの組織的な犯行を認定し、有罪判決を言い渡し確定している。
特殊詐欺被害が深刻となる中、京都府警中京署は介護事業を運営する「洛和会ヘルスケアシステム」(京都市山科区)と協力事業を開始した。利用者と強い信頼関係にあるヘルパーから直接声をかけてもらい、国際電話の利用休止などを啓発していく。
府警中京署員が施設スタッフら約60人に特殊詐欺の手口や被害状況、被害を未然に防ぐ方法などについて講義。その後、実際にヘルパーが利用者の自宅へ向かった。
京都市中京区の90代男性宅では、啓発用チラシを持参したヘルパーが詐欺の危険性などを丁寧に説明。男性は説明を受け、チラシを熱心に読み込んでいた。
洛和会ヘルスケアシステムは今後、約350人の高齢利用者に同様の対応を進める方針。矢野裕典理事長は「ヘルパーはお客さまの性格なども分かっており信頼関係がある。高齢者に寄り添えるようにしたい」と話した。(東九龍)
認可保育所で当時4歳の園児を殴ったとして、警視庁月島署は22日、暴行の疑いで、東京都世田谷区宮坂、元保育士、浜野貴史容疑者(39)を逮捕した。調べに対し、「自分の体調も悪くイライラして手が出てしまった」と容疑を認めている。
逮捕容疑は6月17日午前11時半ごろ、中央区の認可保育所「ほっぺるランド佃」で、勤務中に男児の右腹部を殴ったとしている。男児にけがはなかったという。
署によると、浜野容疑者は給食の配膳でほかの保育士がいない部屋で、男児の着替え対応中に暴行を加えたという。室内に設置されたカメラを確認した保育所が保護者らに連絡し、保護者が署に相談し事件が発覚した。
6月26日にも別の園児に暴行を加えるなどの様子がカメラに映っており、署は詳しい状況を調べている。
保育所の運営会社は、不適切な保育の事案について7月に公表し、浜野容疑者を懲戒解雇した。運営会社は「再発防止策のさらなる強化に取り組んでまいります」としている。
「ぐすーよー、カリーさびら!(皆さん、乾杯しましょう!)」という掛け声に合わせ、元気よく「カリー!(乾杯!)」と発しながらグラスを掲げる。これが沖縄式の乾杯。爽快なオリオンビールで喉を湿してから、てびちや島らっきょうをアテに、特産の焼酎「泡盛」を1杯、2杯…。こうして楽しい夜は更けていく。ついつい日付をまたいでしまうことも珍しくないのだが、困ったことに、沖縄には飲酒にまつわる不名誉な記録がある。
「ビールを売りつつ、絶対に飲酒運転はしない、ということを訴えている」と語るのは、オリオンビールの松田美乃さん。沖縄を代表する酒類メーカーとして飲酒運転根絶に向けた取り組みを進めているという。
沖縄県警によると、昨年は飲酒が絡む人身事故が72件発生。人身事故に占める飲酒絡みの割合は4年連続でワーストだった。ちなみに、平成2年から28年まで実に27年連続でワーストだった。松田さんは「飲酒運転が多い背景に、沖縄の車社会がある」とみている。
先の大戦末期に始まった沖縄戦で、沖縄本島を走っていた軽便鉄道は壊滅的な被害を受けた。米軍統治下で鉄道の復活は実現せず、戦後は車社会に。結果、ほとんどの人がマイカーで通勤するようになった。
無論、お酒を飲んでハンドルを握るような人は極まれで、多くは運転代行サービスを利用して帰宅しているのだが、問題は翌朝の通勤。アルコールが抜け切れていないのに、「二日酔い」状態で車を運転してしまい、酒気帯びで摘発される人が後を絶たないのだ。
県警によれば、ビール500ミリリットルに相当するアルコールが抜けるのに約4時間。泡盛だと100ミリリットルで約4時間かかるというから、泡盛を1合(約180ミリリットル)飲んだだけでも、翌朝の出勤で車を運転することがいかに危険か分かる。
鉄道がなければ当然、終電もない。「そろそろ終電だから」という「お開き」のタイミングがないため、日付をまたいで深酒しがちなのも、沖縄の飲み会「あるある」である。
こうした現状に危機感を抱いたオリオンビールは令和元年、「ストロング系」と呼ばれるアルコール度数の高い缶チューハイの販売を取りやめる一方、ノンアルコールの「ビールテイスト」飲料をラインアップに加えた。同社の小橋川颯斗さんは「お酒は長く、楽しく付き合うものとして、適正飲酒を推奨している」と話す。