熊本県球磨村は21日、16歳未満の子どもに交流サイト(SNS)で性的な画像を送信させるなどしたとして、村教育委員会の会計年度任用職員の40代男性を懲戒免職にしたと発表した。処分は同日付。
村によると、男性職員は2024年5~7月にかけて、SNSで子どもに性的内容を含むメッセージを複数回送信。性的な画像を複数枚返信させたという。今月、村が事実を把握し調査を進めていた。
子どもの性別、年齢、メッセージや画像の内容などは「被害者の特定につながる」として非公表。
村教委は男性職員の行為が、地方公務員法が禁じる信用失墜行為に当たると判断した。大瀬克彦教育長は「関係の皆さまに心よりおわび申し上げる。信頼回復に向けて全力で取り組む」とコメントした。(金村貫太)
熊本県南阿蘇村の国道57号で昨年10月、中央線を越えた軽乗用車が対向車と正面衝突した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪に問われた宇城市の男性被告(23)の第3回公判が21日、熊本地裁(賀嶋敦裁判官)であった。対向車を運転していて亡くなった阿蘇市の女性=当時(72)=の長女(44)=熊本市=が意見陳述で「私の母を返してください」と悲しみを語った。
「太陽のような人。孫の成長を楽しみにして、一番下の子が成人するまで生きなければとよく話していた」。証言席で裁判官をまっすぐ見つめ、長女は何度も声を詰まらせた。
この日の公判はくしくも母の命日だった。「体も心も半分もぎ取られたよう。今も受け止めることができず、悲しみと怒りの中にいます」。親友のような存在で一番の理解者。そんな母に背中を押された気がして法廷に立つことができた。
前回の被告人質問で事故直前の記憶がないと述べた被告について、長女は「実態解明に向き合う姿勢が見られず、誠意も感じない。厳しい処罰を求める」と訴えた。最終陳述で被告は「一生をかけてできる限りの償いをしていく」と述べ、遺族に深く頭を下げて被告人席へ戻った。
融資などの名目で知人から約1億7千万円をだまし取った詐欺の疑いで書類送検され、熊本地検が不起訴処分とした東京都の男性について、熊本検察審査会は「不起訴不当」と議決した。9月25日付。
議決書は「なお捜査を尽くした上で刑事裁判の当否を判断していただきたい」と指摘した。議決を受け、地検は「必要な捜査を遂げた上、適切に対応する」としている。
熊本県内の会社経営者の60代男性が昨年7月、熊本県警に告訴していた。告訴状によると、東京都の男性は2017年11月~21年7月、「事業の運転資金を融資してほしい。相応の報酬を支払う」などとうそを言い、約80回にわたり現金を口座に振り込ませるなどして計約1億7千万円をだまし取ったとしている。
60代男性の代理人弁護士によると、県警の書類送検を受け、地検は昨年11月に嫌疑不十分で不起訴処分とした。60代男性側は今年2月、検審に審査を申し立てていた。(丁将広)
熊本県人吉市は、2020年熊本豪雨の際に流れ出るなどした持ち主不明の写真や位牌[いはい]、表札などを並べた「思い出の品」展示会を市役所で開いている。20日まで。市は今年いっぱいで返却事業を取りやめる方針で「実物を見ることができる最後の機会」としている。
展示している「思い出の品」は38点で、八代海沿岸や民家の敷地に流れ着いたものや、災害ごみ置き場にあったものなどさまざま。市外の人が所有していた可能性もある。成人式や結婚の際の記念写真やアルバムのほか、小箱に「支那事變従軍記章」と記された一式や、祭祀に使われるような品々もある。
市ホームページでは、状態の悪い写真や掛け軸などを含めて全53品を見ることができる。「顔や名前にぼかしを入れているが、当人や家族が見れば分かるはず。心当たりがある人は市役所の展示会や、市ホームページで確認してほしい」と呼びかけている。市行政改革課☎0966(22)2111。(東寛明)