岐阜県警各務原署は28日、各務原市の70代の無職女性が、警察官のふりをした男らに約1500万円分の暗号資産をだまし取られたと発表した。特殊詐欺事件として調べている。
署によると、今月3日、他県の保険課を名乗る男から女性の自宅に「保険証が悪用されている」などと電話があり、他県警の警察官を装った男に取り次がれた。その後、この男からビデオ通話や交流サイト(SNS)のメッセージで「あなたが逮捕されないためには保釈金を支払う必要がある」などと言われ、9〜24日に3回にわたり計約1490万円相当の暗号資産を送金した。
男らは、女性の名前が書かれた差し押さえ許可状のようなものや、容疑者を示す複数人の顔写真などの画像を見せ、「地元の警察は捜査から外されているので、通報してはいけない」などと言っていたという。相手からの連絡が途絶え、被害に気付いた。
岐阜県吹奏楽連盟の口座から100万円を着服したとして、業務上横領罪に問われた元事務局長の男の被告(56)の論告求刑公判が23日、岐阜地裁(戸﨑涼子裁判官)で開かれた。被告は、知人から借りた100万円を返済するため連盟の口座から100万円を着服したなどとする追起訴の内容を認め、検察側が懲役2年6月を求刑して結審した。判決は8月6日。
検察側は論告で、被告は連盟の事務局長として、年会費やチケット販売代金といった収入の管理などを任されていたが「その信任に背き、自己の権限や立場を利用して横領行為に及んだことは厳しい非難を免れない」と指摘。被告の犯行で連盟の社会的信用が少なからず損なわれ、「(連盟側が)被告に対する厳しい処罰を希望することも当然」と非難した。
弁護側は、私利私欲によるものではないことや、深く反省していることなどから適正な判決を求めた。
起訴状によると、被告は2021年8月、事務局長を務める連盟の口座から100万円を着服したなどとしている。連盟は計約670万円の目的不明の出金を確認しているが、岐阜地検は追起訴分も含め計200万円について起訴している。
岐阜市教育委員会は22日、市内の商業施設で盗撮をしたとして県警の捜査を受けている市立幼稚園の男性教諭(38)を懲戒免職処分にした、と発表した。処分は同日付。
市教委によると、男性教諭は7月11日午後、市内の商業施設で自身のスマートフォンを使い、女性のスカート内を盗撮した。市教委の聞き取りに対して盗撮を認めており、1年ほど前から繰り返していたという。市人事課は「他市でも教職員による同様の事件が発生しており、社会的影響を鑑みて速やかに処分した」としている。
管理監督責任を問い、幼稚園の女性園長(60)も文書で厳重注意した。
岐阜県中津川市の中央自動車道下り線の恵那山トンネルで6月、逆走車が軽乗用車と正面衝突した事故で、岐阜県警は18日、逆走車を運転していた長野県阿南町の無職男性(99)を自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで書類送検した。
事故は6月11日に発生した。男性は園原インターチェンジ(長野県阿智村)から進入し、恵那山トンネルを抜けてすぐのチェーン着脱場でUターン。トンネル内へと約3・7キロ逆走し、名古屋市の男性会社員(41)の車と正面衝突した。男性会社員は重傷を負った。岐阜県警は、逆走をした男性から任意で事情を聞いていた。
岐阜市は17日、市立幼稚園に勤務する30代の男性教諭が市内の商業施設で女性のスカート内を盗撮したと発表した。市教育委員会によると、県警が任意で捜査をしているという。
市教委の教諭への聞き取りによると、教諭は今月11日の勤務後、買い物に訪れた市内の商業施設で、買い物中の女性の背後を通りながら、スマートフォンで女性のスカート内を動画撮影した。建物を出たところで警察官に声をかけられ、盗撮を認めたという。
市教委は12日に把握し、教諭を自宅謹慎させて聞き取りをした。教諭は「仕事上のストレスがあった」と話し、当日複数人を撮影したほか、過去にも盗撮をしたと話しているという。勤務先での盗撮は否定している。
市教委は18日以降、教諭の勤務先の園にスクールカウンセラーを配置し、園児の心のケアに努めるとともに、校長・園長会を開いて法令順守の徹底を呼びかけ、教職員への個別面談を早急に行うよう指示する。市教委は「警察の捜査に全面的に協力する。捜査状況を注視し、迅速に厳正に対応していく」としている。
◆1枚最高200万円 被害1370万円相当
店を襲ったのは、付き合いのある近隣のカードショップ関係者や顔見知りだった-。岐阜県羽島郡笠松町のトレーディングカードショップで6月、1370万円相当のポケモンカードなどが奪われた強盗事件で、被害店舗の女性店長(32)が本紙の取材に応じた。逮捕された男3人のうち2人は店と関わりがあり、計画的に閉店後を狙って店内に押し入っていた。「まさかうちの店をターゲットにするとは思わなかった」と憤る。
6月13日の夜。閉店時間の午後10時を過ぎても4人の常連客が残っていた。店の男性オーナー(25)と一緒に話が盛り上がり、気づくと午前3時を回っていた。4人が店を後にすると、姿を見せたのが店によく来る顔見知りの会社員坂口直人被告(36)=本巣市、強盗と建造物侵入の罪で起訴=だった。「勝手に店に入ってきた。こんな時間になぜ」と不思議に思った。
10分ほど後、ナイフを持った運送業安藤奎司被告(34)=関市、同=が押し入り、カードや現金を要求。高額カードをあさって約30分居座った。後に分かったが、先に訪れていた坂口被告は車を運転し、逃走を手助けする「人質役」。店長とオーナーは、手足をガムテープで縛られた上、スマートフォンを奪われ、車で岐阜羽島署に行くしかなかった。店長は「ナイフを持った男(安藤被告)は見たことがなかった。客が人質になるなど後から考えるとおかしな点があったが、あの瞬間は客が犯人とは思わなかった」と振り返る。
事件から5日後、両被告が逮捕された。今月9日には、現場にはいなかったが強盗に関与したとして、岐阜市内でカード類を販売する渡辺祐次容疑者(35)=関市=が逮捕された。3人はカードゲーム仲間で、捜査関係者によると、いずれも金に困って犯行に及んだとみられる。同じ業界の人物として、カードの希少価値や価格相場に詳しい。店長は「よく知るカードショップ関係者が関わっていたなんて」と困惑した。
被害総額は予想以上だった。「最高額は200万円。100万円クラスのポケモンカードも持っていかれた。300〜1千円のカードも大量にあったが、すべて特定することもできずに諦めた」と声を落とす。20日間近く休業したことも痛手になった。
店内には防犯カメラを設置するなど対策を取ってきたが、未明まで店を開けていたことは反省しかないと感じる。盗まれたカードは見つかっておらず、なぜ狙われたのかも分かっていない。店長は「モヤモヤが残ったまま。事件の全容を知りたい」と願いを話す。
事件は6月14日未明に発生。売上金54万円とポケモンカードなど123点(1370万円相当)が奪われた。
【カードゲーム・トレーディングカード市場規模】 日本玩具協会によると、2024年度は前年比9・0%増の3024億円で、19年度から約2・6倍と市場拡大が続く。90〜00年代に遊んでいた世代が大人になり、再び収集するようになったことに加え、コロナ禍の巣ごもり需要の拡大も追い風になった。転売目的の買い占めもある。中古市場も活発で、カードショップが急増し、カードの流通量や人気度、状態により高額取引されるものもある。また投機的な取引もあり、価格が激しく乱高下する一因にもなっている。