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西日本新聞の配信記事一覧

2025年07月31日

口座の異常な動きを検知、70代女性の700万円詐欺被害防ぐ 遠賀信用金庫に福岡県警が感謝状

 福岡県警折尾署は、特殊詐欺被害を未然に防いだとして遠賀信用金庫の岡垣支店(岡垣町)に感謝状を贈った。対応に当たった担当者は、店舗窓口で高額な払い出し手続きをする高齢者の言動に疑問を持ち、繰り返し説得に当たったという。

【写真】折尾署から感謝状を受け取る遠賀信用金庫岡垣支店の和田賢人次長

 信金によると、5月20日に遠賀郡在住の70代女性が定期預金約700万円を全額解約しようと同支店を訪れ、「相続手続きを手伝ってくれる郵便局勤務の知人に預ける」などと説明した。

 それ以降も支店や本店を訪れて普通預金に移し替えるなどしたため、担当者は詐欺を疑って何度も説得し、ATMで100万円を引き出した時点で信金側は女性の口座を凍結。6月10日に女性が支店に来た際に折尾署に連絡し、被害は生じなかったという。女性は実際には、警察官を名乗る人物から現金を引き出すよう指示されていた。

 同信金では顧客口座の異常な動きを検知する犯罪抑止システムを導入しており、今回の被害防止にも役立ったという。17日に信金本部で感謝状の贈呈式があり、一連の対応を担った岡垣支店の和田賢人次長は「話し方や反応を見た。言葉に詰まり、何か隠しているように見えた。経験の中で判断できるところがあった」と話した。(座親伸吾)



7/30(水) 19:03

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2025年07月31日

「おかしいと思ってもなかなか声かけられない」電話しながらATM操作の男性…3人で説得し詐欺被害防止

 偽電話詐欺被害を防いだとして福岡県警筑紫野署は、牧美貴さん(46)、笹原哲夫さん(72)、妻の志津江さん(64)を表彰した。贈呈式は6月4日にあり、野田賢秀署長は「おかしいなと思ってもなかなか声をかけられない。被害を減らしてくれてありがたい」と感謝した。

【写真】偽電話詐欺被害を防ぎ、筑紫野署に表彰された牧美貴さんと笹原哲夫さん

 署などによると、牧さんと志津江さんは4月16日夜、筑紫野市のスーパー敷地内に設置された現金自動預払機(ATM)の列に一緒に並んでいた。数分間、携帯電話で電話をしながらATMの操作を続ける60代男性を不審に思い、声をかけて電話を代わった。

 電話相手は銀行サポートセンター職員をかたる男で、事情を聴こうとしたところ「答えられない」と拒否されたことや、相手が国際電話であったことなどから詐欺だと確信。哲夫さんも加わって3人で男性を説得し、牧さんが110番した。

 哲夫さんは「自分も高齢で被害に遭うのが怖い。防ぐことができ良かった」と話した。

 (小田瑞穂)



7/31(木) 7:10

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2025年07月31日

陸軍省が受け取り拒否?顔を日の丸の旗で覆われた軍装の遺体 謎めいた異色の戦争画

 黒い背景に浮かぶように軍装の遺体が横たわる。刀を携え、顔は日の丸の旗で覆われている。

【画像】多くの謎を残している小早川秋聲の作品「國之楯」

 高崎卓馬さんが小説「傷」を着想するきっかけとなった小早川秋聲「國之楯」。縦約1・5メートル、横約2メートルの画面は静謐(せいひつ)、荘重で、一度見たら忘れられない存在感がある。戦死者を美化する英霊礼賛の絵なのか。死を悲しむ反戦メッセージが込められているのか。両義的に解釈できる謎めいた絵だ。

 この絵は、そもそもの発注元の陸軍省が受け取りを拒否したと伝わる。軍は戦死者の描写に神経をとがらせたのか。拒否理由は不明だが、はっきりしているのは、裏に「返却」と記され、長く公開されなかった事実だ。

 小早川は、京都で名高い日本画家、谷口香嶠(こうきょう)に師事。歴史や故事を題材とした絵を描いた。修業のかたわら、1904年に始まる日露戦争に見習士官として志願従軍した。

 31年、満州事変。37年、日中戦争勃発。そして41年、真珠湾攻撃で太平洋戦争が開戦。国民がいや応なく戦争に巻き込まれていく中、当時の画家たちは盛んに戦争画を描いた。陸海空の戦闘や司令官の会見場面は展覧会で公開され、各地を巡回した。

 小早川も中国大陸などにたびたび派遣され、戦争画を手がけていく。「護国」(34年)は、戦場では危険とされる夜のたき火を描く。兵士の姿がぼんやりと照らし出される様子は神秘的でもある。「虫の音」(38年)は、疲れ切った兵士たちがさまざまな姿勢と表情で眠る姿を捉えた。軍装の男がぎろりとしたまなざしで愛刀を見つめる「日本刀」(40年)、茶を用意して心を静める軍人を描く「出陣の前」(44年)は、人物の表情や服装、持ち物の細部まで観察したことがうかがえる。リアリティーにこだわったまなざしには温かいものも感じられる。その中で「國之楯」は異色の一作だろう。

 実は、この絵は今、制作当時と姿を異にする。当初、遺体の上には桜の花びらが描かれていたが、68年の改作で黒く塗りつぶされた。美しく散る桜は勇ましい戦死の象徴だった。戦争協力の過去を負い目に感じていたのか。小早川は戦後、戦犯として裁かれることを覚悟していたとも伝わる。

 「國之楯」は、小早川が暮らした京都府の京都霊山護国神社に保管されていた。再評価の機運は、戦後50年を迎えた95年8月、にわかに高まる。死後20年余が過ぎていた。雑誌「芸術新潮」が戦争画特集を組み、「國之楯」など同神社に残る作品を紹介したのだ。誌面には<天覧を拒絶された幻の戦争画を発見!>とセンセーショナルな見出しが付けられた。

 以降、小早川の父が住職を務めた寺がある鳥取県では、日南町美術館でたびたび展覧会が開かれる。2019年にはNHKの番組「日曜美術館」が取り上げ、21~22年には初の大規模な回顧展「小早川秋聲 旅する画家の鎮魂歌(レクイエム)」が京都、東京、鳥取を巡回した。全画業を網羅し、多方面の研究成果も紹介する図録は、小早川の足跡を伝える。

 小早川はどのような思いで「國之楯」を描いたのか。戦後に軍国色を薄める改作を施したのはなぜか。地球上で絶えることのない戦火に、天上から何を思うのか…。こうした数々の謎が残る小早川とその作品に、高崎さんの小説がどう分け入っていくのか。「國之楯」に衝撃を受けた者の一人として興味は尽きない。

 (諏訪部真)



7/31(木) 7:05

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2025年07月31日

「生きて」と願いながら…心肺停止になった30代男性に救命措置 北九州市の戸畑消防署が“命のバトン”に感謝状

 一時心肺停止になった急病人に迅速な救命措置を行い、人命救助に貢献したとして、北九州市の戸畑消防署は、日本製鉄九州製鉄所八幡地区で警備業務に携わる日鉄ビジネスサービス九州事業所の社員4人に感謝状を贈った。

【写真】感謝状を受け取った日鉄ビジネスサービスの社員4人

 表彰されたのは住本勝義さん(59)、鶴田康一さん(41)、入江健一さん(34)、上甫木智哉さん(33)。

 同消防署によると、4人は今年2月、勤務後に職場の出入り口付近で心肺停止状態になった協力会社の30代男性社員を発見。救急隊が到着するまで「頑張れ」と声をかけながら、自動体外式除細動器(AED)を操り、心臓マッサージなどを行った。男性社員は一命を取り留め、4月から職場に復帰した。

 6月20日に感謝状を受け取った住本さんは「『生きて』と願いながら救助に当たった。普段の訓練の成果が出たのがうれしい」と語り、同消防署の三原千恵子署長は「男性は一分一秒を争う危険な状態だった。救急隊に命のバトンをつないでくれた」と感謝した。(井崎圭)



7/31(木) 17:30

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2025年07月31日

会議中に50代男性が突然倒れ心肺停止…AED使い救命の3人に長崎市北消防署が感謝状「熱中症増える時期、対処法知って」

 長崎市北消防署は、心肺停止した人に救命処置をした救急功労者3人と、建物火災発生時に初期消火や避難誘導をした消防功労者1人に感謝状を贈った。林田哲署長は4人に「皆さんの勇気ある行動と救いたいという気持ちで尊い命が救われた」と謝意を述べた。

【写真】人命救助によって感謝状を贈られた救急功労者ら

 7日の感謝状贈呈式には、救急功労者の山脇博さん(63)=時津町、林文則さん(62)、毎熊一太さん(58)=いずれも長与町=の3人が出席。署によると、5月22日、長与町の文化施設での会議中に50代男性が突然倒れ、心肺停止になった。居合わせた3人が、人工呼吸や自動体外式除細動器(AED)による心肺蘇生を実施。適切な救命活動によって、男性は社会復帰を果たしたという。山脇さんは「熱中症が増える時期になるので、より多くの人にいざというときの対処法を学んでほしい」と話した。

 消防功労者の中谷チカエさん(70)=長崎市錦2丁目=にも感謝状が贈られた。5月26日、火災報知機の音で、隣の知人宅から白煙が上がっているのに気づいたという中谷さん。急いで隣家に上がり、火元となったガスこんろにバケツで水をかけて消火。119番するとともに、その場で立ち尽くしていた住人の90代女性を連れ出して避難した。今月9日に感謝状を受け取った中谷さんは「高齢の1人暮らしだと知っていたので無我夢中だった。けが人もなく、ぼやで済んでよかった」とほっとした表情で語った。(竹添そら)



7/31(木) 17:30

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2025年07月31日

「人が倒れている」佐賀・唐津市の波打ち際で高齢女性の遺体発見

 30日午前9時半ごろ、佐賀県唐津市鏡の海岸で「人が倒れている」と通行人から110番があった。

【写真】来場者が777万7777人を突破した唐津城天守閣

 唐津署によると、波打ち際で高齢女性とみられる遺体を確認した。目立った外傷はないという。



7/31(木) 12:44

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2025年07月28日

長崎県佐世保市の側溝内で身元不明の遺体発見

 25日午後6時50分ごろ、長崎県佐世保市潮見町の側溝内で身元不明の遺体を佐世保署員が見つけた。

ドローンと思われる光が確認された九州電力玄海原発=27日、佐賀県玄海町(撮影・向井大豪)

 署によると、性別や年齢は分かっていない。署員は行方不明者を捜していたという。



7/28(月) 9:53

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2025年07月26日

給食に異物混入…高校に引き継がれなかった問題行動 長崎・佐世保の高1同級生殺害から11年、児相で続く取り組み

 2014年7月に佐世保市で発生した高1同級生殺害事件から、26日で11年となる。被害者と加害者が在籍した高校では命の大切さを考える集会が今年も開かれた。対応に問題があったと指摘される児童相談所では、二度と同じ過ちを繰り返さないための取り組みが続いている。 (古川泰裕)

【写真】校長の講話後、被害者の女子生徒へ黙とうをささげる生徒

 被害者の女子生徒=当時(15)=が通った市内の高校で23日に行われた全校集会。校長は校内放送で理不尽にも命を奪われた先輩がいることを伝え、自分も他人も傷つけてはならないことを訴えた。

 事件の加害者は同級生だった女子生徒。生徒は自宅マンションで犯行に及んだ。「今年も忘れられない日が近づいた」と切り出した校長は事件の詳細には触れず、「自分の中のネガティブな感情とも向き合い、他人と自分の命、両方を大切にしてほしい」と語りかけた。各教室で耳を傾けた生徒らは最後に黙とうをささげた。

 殺人容疑で逮捕された生徒は小学校時代に級友の給食に異物を混入するなどしていた。こうした問題行動は小学校から中学校には伝えられたが高校までは引き継がれず効果的な対処を欠いた。県教育委員会は高校の対応などに不備があるとの報告書をまとめている。



7/26(土) 10:00

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2025年07月25日

学校行事中止、畳浮き始め…消防団から「遺体を収容したい」 長崎・諫早大水害から68年、体験者の記憶

 死者・行方不明者630人を出した1957(昭和32)年の諫早大水害から25日で68年を迎える。当時の体験を語り、新たな備えを呼びかける会が長崎県諫早市で開かれ、高校生や大学生など多くの人が耳を傾けた。

【写真】諫早大水害の被災当時の状況を伝える展示会

 「諫早大水害を語り継ぐ」と題し、住民グループ「本明川を語る会」(川浪良次会長)が12日に開催。若い世代と対談する形式で体験者が記憶をたどった。

 同市八坂町の寺が実家の西崎英子さん(77)は当時、小学4年生だった。「朝からたたきつけるような雨で、学校行事の雲仙旅行が中止になったことを友達が伝えに来てくれた」。夕食後に再び雨が激しくなって畳が浮き始め、本堂の天井裏に避難。翌日、消防団が来て「本堂に遺体を収容したい」と言うのを聞き、近所で大勢の人が亡くなったことを知ったという。

 近所の古賀文朗さん(85)は「激しい雨の間に、雨がやんだ数時間があったことが後で分かってきた。2階建ての家は上に逃げられたが、八坂町周辺ではほとんどが平屋で、逃げ場がなくなった」とした上で、「災害が起こりそうになったら逃げる。これが被災を防ぐ一番のこと」と訴えかけた。 (今井知可子)



7/25(金) 13:22

2025年07月25日配信の記事を見る

2025年07月21日

中国でスパイ罪の邦人に実刑判決 罪状すら不明…戸惑い広がる日本企業

 【北京・伊藤完司】中国北京市の第2中級人民法院(地裁)は16日、北京で拘束され、スパイ罪で起訴されたアステラス製薬の日本人男性社員に対し、懲役3年6月の実刑判決を言い渡した。金杉憲治駐中国大使が傍聴し、判決後、男性と面会した。男性の具体的な罪状は明らかにされていない。男性は中国に進出する日系企業でつくる「中国日本商会」の要職に就いた経験があるベテラン駐在員で、日本企業の中国事業や人的交流に影響を与えるのは必至だ。

【画像】日本人女性や伊藤忠商事の社員も拘束…中国の邦人拘束を巡る主な動き

 金杉氏は判決を受けて記者団に「極めて遺憾だ。(中国側に)司法プロセスの透明性向上と拘束中の邦人の早期釈放を強く求める」とコメントした。日本外務省は在日本中国大使館に拘束邦人の早期釈放などを要求した。日本大使館によると、男性は上訴について弁護士と相談する考えという。

 中国外務省の林剣副報道局長は16日の記者会見で判決について質問されたが、「中国は法治国家であり、司法機関は法律に基づいて厳格に事件を処理している」と述べるにとどめた。

 男性は2023年3月に拘束、昨年8月に起訴され、同11月に初公判が開かれた。判決公判は日本メディアには公開されなかった。

 日本政府は事件を重視し、首脳レベルで解放を求めてきた。石破茂首相は昨年11月、南米ペルーで中国の習近平国家主席と会談した際、男性を含む中国で拘束された邦人の早期釈放を要求していた。

 習指導部は「国家安全」の維持を重視し、14年に反スパイ法を施行、23年にスパイ行為の定義を従来より拡大した改正反スパイ法を施行し、外国人への監視を強化してきた。在中国日本大使館によると、14年以降、男性を含めて17人の邦人が拘束された。このうち12人が有罪判決を受け、5人が服役などで中国国内にとどめられているという。



7/17(木) 12:46

2025年07月21日配信の記事を見る