損傷の激しい身元不明遺体の写真などから生前の似顔絵を作成する「復顔法」の講習会が16日、県警本部であった。東日本大震災の犠牲者の似顔絵を描いて身元特定に貢献し、県警の鑑識技能伝承官を委嘱されている安倍秀一さん(75)が講師を務めた。
本部や各署の警察官10人が参加。安倍さんから加齢による顔の変化などの講義を受けた後、ある県で見つかった男性遺体の写真や解剖結果の説明を踏まえ、似顔絵を鉛筆で描いた。
鑑識課の男性巡査部長(46)は「生前の顔を想像して描くのは難しく、参加するたびに発見がある。身元不明遺体を少しでも早く家族の元に返せるよう技能向上に努めたい」と話した。
安倍さんは「人の顔が年齢に応じてどう変わるかなどを普段から観察することが大切。そうすれば遺体の状態や解剖結果を踏まえ、生前の顔をある程度判断できる」と助言した。
講習会は2012年から毎年開催している。県警は震災で亡くなった身元不明者99人の似顔絵を作成して公開。安倍さんは93人を担当し、うち24人は似顔絵がきっかけとなり身元特定につながった。
福島市内で出没が相次ぐクマの情報をいち早く把握しようと、市は公式LINE(ライン)を通じ、目撃した市民が簡単に通報できる仕組みを整えた。出現場所の近隣の学校や住宅街への注意喚起に生かすほか、添付されたクマの画像を個体の識別に役立てる。
道路や公園の不具合、不法投棄、不審電話などを通報できるシステムの項目に「クマ目撃情報」を追加した。公式LINEからアクセスし、クマを見た日時と場所などを送信する。
ただ市民の通報先は警察署が優先で、市も画面上でその趣旨を伝える。その上でシステムの活用と、安全な場所からクマを撮影した場合の画像提供を呼びかける。
市によると、市内での4~6月のクマ目撃は62件で、過去5年間の平均25・6件の2倍を上回った。住宅街への出没も増えており、市は危機管理対策本部を設置して対策強化に取り組んでいる。